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広島複素解析セミナー
Hiroshima Complex Analysis Seminar


2015年度

第8回

日時:1月 27日(水)16:30 - 17:30
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者:渋川 元樹 氏 (大阪大学)
題目: New elliptic function identities and an elliptic analogue of reciprocity laws of generalized Dedekind sums
要旨:
    We obtain new elliptic function identities, which are product-to- sum type formulas for derivative of some elliptic functions. Further, from specializations of our formulas, we derive not only various known an elliptic analogue of reciprocity laws of generalized Dedekind sums by Fukuhara-Yui, Egami, but also new reciprocity laws of an elliptic analogue of generalized Dedekind sums.


第7回

日時:11月 27日(金)15:00 - 16:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 梅田 陽子 氏 (山口大学)
題目: Multiple-scale analysis for some class of systems of non-linear differential equations
要旨:
    河合-竹井により大きなパラメータをもつパンルベ階層(P_J)_m (J= I, 34, II-2 or IV)のインスタントン解に対する構造定理が確立されている. インスタントン解は十分多くの自由パラメータを含む形式解であり,そのパラメータの変化によりインスタントン解に対するストークス現象が記述される. インスタントン解は非線形常微分方程式の解の接続問題を扱う 時の基底となる解として重要な研究対象の一つだが, 一般にその解の構成は自明でない. 本講演では, パンルヴェ階層(P_J)_m(J=I,34,II,IV)を含む あるシステムに対するインスタントン解構成法について説明する. 構成法は多重スケール解析を用いる. また, インスタントン解の構成に関して,多重スケール解析はどのような微分方程式のクラスまで適用できるかについても考察する.


第6回

日時:11月 6日(金)16:00 - 17:40
場所: 広島大学理学部B棟707教室

16:00 - 17:00
講演者: 西岡 斉治 氏 (山形大学)
題目: 倍角公式と代数的独立性
要旨:
    余弦関数,ワイエルシュトラスのペー関数,独立変数が持つ「倍角公式」には,それら自身に関する多項式や有理式が現れ,それぞれの次数は 2, 4, 1 という異なる値である.このことから上記の3つの関数が複素数体上代数的独立であることがわかる.

17:10 - 17:40
講演者: 小川原 弘士 氏 (熊本大学)
題目: Wallenbergの定理の差分類似
要旨:
    Wallenbergは有理関数係数の2階線形微分方程式と1階代数的微分方程式の共通解が,後者の方程式が定数項以外に少なくとも異なる2つの斉次項を含むなら,有理関数体上 Liouvillian であることを示した.ここで,関数が Liouvillian であるとは,指数関数,原始関数, または代数方程式の根を有限回合成したもので表されるときにいう.本講演では,高階化された Wallenberg の定理の差分類似を差分代数によって与える.また,この差分類似の応用として線形差分方程式の解の可約性について考察する.特に,いくつかの線形q差分方程式を例として挙げる予定である.


第5回

日時: 7月31日(金)15:00 - 16:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 廣瀬 三平 氏 (芝浦工業大学)
題目: 特異摂動型q-差分方程式について
要旨:
    特異摂動型微分方程式はこれまでに様々な研究がされており, 現在もその研究は進展している. この講演では, 特異摂動型微分方程式のq-差分化である特異摂動型q-差分方程式について考察する. 特に, 特異摂動型微分方程式とそのq-差分化との違いを例を用いて説明する.


第4回

日時: 7月24日(金)16:00 - 17:30
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 渡部 拓也 氏 (立命館大学)
題目: Molecular predissociation resonances at an energy-level crossing
要旨:
    交差する2つのポテンシャルをもつ2元連立の1次元シュレディンガー作用素のレゾナンスの準古典挙動を調べる. 引力(井戸)型の結合エネルギーと斥力型の反結合エネルギーの交差によって起こる分子の前期解離(predissociation)過程において,その量子共鳴(quantum resonace)は,井戸型の固有値が交差の相互作用により摂動されて現れる. この解析において,エネルギー交差点での解の接続が重要となるが,この点は双方の1位の変わり点が重なる点であり,複素WKB法はもとより,超局所解析においても困難な点である. 本講演では,交差するエネルギーの複素近傍におけるレゾナンスの準古典分布に関して得られた結果を紹介し,解の構成や接続について述べたい.
    本研究は,藤家雪朗氏(立命館大学),André Martinez氏(Bologna大学)との共同研究である.


第3回

日時: 5月22日(金)16:00 - 17:30
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 千葉 優作 氏 (東京大学)
題目: 極大多重劣調和関数の最小値原理と複素モンジュ・アンペール方程式へのその応用
要旨:
    この講演では, 極大多重劣調和関数の最小値原理を証明し, それを使うことにより, 凸なレベル集合を持つ多重劣調和関数のモンジュ・アンペール方程式を調べる. またこれらの結果を用いて, 複素凸領域の小林距離と多重複素グリーン関数のモンジュ・アンペールカレントの台の関係を調べる.


第2回

日時: 5月8日(金)16:00 - 17:00
    5月9日(土)10:00 - 11:30
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: 山澤 浩司 氏 (芝浦工業大学)
題目: qアナログの差分‐微分方程式の形式解の多重総和法について —example version—
要旨:
    大内氏により複素領域の偏微分方程式の形式解の多重総和法に対する結果がある.本講演では例のケースについてq離散化した方程式に対する形式解の多重総和法について紹介する.q離散化,形式解の評価であるq-Gevrey評価またq-多重総和法などの定義から話しを行う予定である.


第1回

日時: 4月24日(金)16:00 - 17:00
場所: 広島大学理学部B棟707教室
講演者: Ahmed Sebbar 氏 (Bordeaux University, France)
題目: Critical points of Green's functions
要旨
    Let D a bounded and multiply connected domain, of connectivity p. The Green's function of D of pole w has p critical points zi (w), 1≤i≤p. The main result is that there is a compact set K⊂D, independent of w and containing all these critical points: The critical points will never see the boundary ∂D of D.
    We will discuss in detail the case of a doubly connected domain. We also discuss some possible developments: Cartan geometry, Casimir effect.
    The main result is a joint work with Björn Gustafsson (KTH, Stockholm).


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阿部 誠 (広島大総科)
佐々木 良勝 (広島大理)
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平田 賢太郎 (広島大理)
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吉野 正史 (広島大理)

問い合わせ先

佐々木 良勝 sasakiyo@hiroshima-u.ac.jp


Last update: October 13, 2015

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