Last update October 31, 2007.
English version

広島複素解析セミナー
Hiroshima Complex Analysis Seminar




2007年度





日時  : 11月14日(水)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学理学部 B701教室
講演者 : 原岡 喜重 氏(熊本大学・大学院自然科学研究科)
講演題目: On computability of the monodromy for regular holonomic systems
講演要旨:
Fuchs 型常微分方程式のモノドロミーは,方程式がrigid なときや解の積分表示があるときに計算可能となる. しかし解の積分表示があるかどうかを方程式から判定するのは,非常に困難であろう. 本講演ではより判定可能な条件として,方程式の多変数への延長可能性を考え,モノドロミーの計算可能性との関係を考察する. そこから自然に,regular holonomic system のrigidity の概念が現れる. モノドロミー保存変形の理論との関わりについても調べる.
掲示用pdfファイル


日時  : 10月3日(水)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学総合科学部 C808教室
講演者 : 澤野 嘉宏 氏(首都大学東京)
講演題目: 分数積分作用素の有界性に関して
    : (曽布川 拓也 氏(岡山大)と田中 仁 氏(東京大)との共同研究)
講演要旨:
この講演では,[1,2]に基づいて分数積分作用素
hcas0710.gif(1850 byte)
の有界性に関して論ずる. われわれの論文では,一般のRadon測度に関して有界性を得たが, ここでは Lp 空間とMorrey 空間で有界性がどのように変わってくるのかを 論ずるために Lebesgue 測度で論ずることにする.あくまで二つの関数空間の 違いを論ずることが主な目的である.
分数積分作用素の基本的な事項に関しては [3, p.354]を参照のこと.
参考文献
[1] Y. Sawano and H. Tanaka, Morrey spaces for non-doubling measures, Acta Math. Sinica, \textbf{21} (2006) No. 1, 153--172.
[2] Y. Sawano, T. Sobukawa and H. Tanaka, Limiting case of the boundedness of fractional integral operators on non-homogeneous space, Journal of Inequalities and Applications Volume 2006, (2006), Article ID 92470, 16 pages.
[3] E. M. Stein, {\em Harmonic Analysis: Real-Variable Methods, Orthogonality, and Oscillatory Integrals,} Princeton Univ. Press, (1993).
掲示用pdfファイル


日時  : 8月8日(水)10:30 - 12:00
場所  : 広島大学総合科学部 C808教室
講演者 : 黒川 隆英 氏(鹿児島大学理学部)
講演題目: Partial primitives, polyprimitives とC-class の分解
講演要旨:
関数空間 H とその部分空間 V に対し、もしH の部分空間 W が直和分解 H = V +W を満たすならば、WVH における補空間という. ここでは多重指標 a =(a1,..., an) と正整数 l に対し
Da = Da1...Dan
とするとき, C(Rn) の部分空間 Ker Da = {u∈C(Rn) : Da u = 0} と P(Rn) ={l-1 次多項式} = ∩{|a|=l} Ker Da のC(Rn) における補空間を与える.
掲示用pdfファイル


日時  : 7月18日(水)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学総合科学部 C808教室
講演者 : Peter Hästö 氏(University of Oulu)
講演題目: Sobolev inequalities for variable exponents attaining the values 1 and n
講演要旨:
We consider Sobolev emdeddings in variable exponent spaces for exponents satisfying 1≤ p ≤ n in a bounded domain. We combine weak- and strong-type estimates, and use a new variable exponent target space scale which features a space of exponential type integrability instead of L1 at the upper end.
掲示用pdfファイル


日時  : 7月13日(金)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学総合科学部 C808教室
講演者 : Vladimir N. Dubinin 氏(ロシア科学アカデミー極東支部)
講演題目: Symmetrization of condensers with applications in geometric function theory
講演要旨:
First, the definitions of polarization and dissymmetrization of sets and condensers in n-space are given. We consider sketched proofs of principal theorems about behaviour of the various capacities of condensers under these and other transformations. As an application, the solutions of Vuorinen's problem on n-modulus of a family of curves in n-space, Gonchar's minimal capacity problem and others are obtained. Second, the simplest case of the piecewise separating symmetrization of plane condensers are considered. We prove theorems about behaviour of conformal capacity and the inner radius under the separating transformation. As an application, certain classical and recent problems of geometric function theory are solved. Also, other types of symmetrization on the plane are discussed.
掲示用pdfファイル


日時  : 6月6日(水)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学理学部 B707教室
講演者 : 大沢 健夫 氏(名古屋大学多元数理科学研究科)
講演題目: リーマン面に沿う関数の構成とその応用
講演要旨:
複素多様体内の領域の境界は複素曲線を含み得、2次元の場合にそれは非特異であり、したがってリーマン面である。 さらに領域が擬凸の場合、そのリーマン面に沿って境界がどう動くかを追跡することにより、一般化されたレビ問題を解き、領域上の正則関数の存在を示すことができる。 これについて既に知られている上田('83) やDiederich-大沢('82) の結果をふまえ、ディーバー方程式論(大沢 '79) と西野('82) の結果を援用して新しい結果を得たので報告したい。 主定理の系として特に次が得られる:2次元以上の複素射影的代数多様体内の実解析的な境界を持つ擬凸領域は、境界がレビ平坦でなければ連結な境界を持つ。
掲示用pdfファイル


日時  : 5月23日(水)16:30 - 18:00
場所  : 広島大学理学部 B707教室
講演者 : 作間 誠 氏(広島大学大学院理学研究科)
講演題目: 円周上の穴あきトーラス束に付随する同変球面充填曲線について
講演要旨:
双曲構造を許容する円周上の穴あきトーラス束が与えられると, 同変球面充填曲線(Cannon-Thurston map)が自然に生じることが知られている. Cannon-Dicksは,それに付随して自然に平面のフラクタル的タイル貼りが構成出来ることを証明した. 本講演では,Cannon-Thurston map及びフラクタル的タイル貼りの組み合わせ的性質を説明し, 時間が許せば,穴あきトーラス束の標準的分割から得られる平面の(ユークリッド三角形による)タイル張りとの関係(Warren Dicks氏との共同研究による)について述べる.
掲示用pdfファイル






過去のセミナー

2004年度

2005年度

2006年度





Tips

広島大学へ

時刻表各種 広島大学経済学部のページ
こちらもご参照下さい.
JR西条駅
JR山陽本線・西条駅からバスが便利です。 バス時刻表 JR西条駅→広島大学, 広島大学→JR西条駅
なお、東京・大阪方面から西条に来る場合は、新幹線で広島まで行ってから、 在来線で西条まで戻るのが時間的には有利です。新幹線の福山で降りて、 そこから在来線に乗り換えると料金は700円から1000円ほど安くなりますが、時間は30分ほど余分にかかります。 その場合、福山に停車する「のぞみ」を利用するのがベストです。
新幹線・東広島駅
ここから広島大学に行ってくれる直通バスは朝3本だけと非常に少ないですが、 タイミングが合えば結構便利かもしれません (バス時刻表)。 ただ、このバスは土・日や祝日は運行されないので注意が必要です。 バスの時間を逃すと、あとは2000円くらい払ってタクシーを使うか、一旦JR西条駅までバスで行き、 そこからさらにバスで広島大学まで行くということになります。 以前はこのルートは非常に不便でしたが,一部「のぞみ」が福山に停車するようになり,乗り継ぎが 非常に便利になりました.とにかく短時間で広島大学に到着したい場合はこのコースをお薦めします.
広島空港
空港から直接広島大学に行く公共交通機関はありません。普通は空港からJR白市駅行きのバスに乗り、 白市からJR山陽本線で2駅行くとJR西条駅、そこからは上と同様にして広島大学にバスで行くことになります。 裏技として、呉行きのバスに乗り、そこで空港から最初のバス停である「水源地前」というバス停で下車 (所要時間約30分)すると、そこからサイエンスパークという工業団地を抜けて広島大学までたどり着けます。 ただ、キャンパスが広いので、理学部までだと歩いて40分はかかるでしょう。 もちろんバス停からタクシーを呼ぶという手もあります。 空港からのバスについてはこちらが便利です。
広島バスセンター
JR広島駅からは少し遠くて、これは市の中心地である紙屋町の広島そごうの横にあります。 文字通り、広島を発着する高速バスの拠点となっていますので、 長距離バスを使う方はこちらからのアクセスが便利でしょう。 広島大学まで直通のバスが1時間に1本くらいの割で出ています。 詳しくはこちらをご覧下さい。 なお、大学の生協には率の良い往復割引切符が売られています。バスセンターにもあると 思いますが未確認。

鉄道の接続やルート検索

理学部へ

理学部の建物は広島大学のキャンパスの大体、東北角に位置しています。バス停に関しては、 来るときは「広大中央口」、去るときは「山中池」を使うのが効率的です。ただし時間帯によっては 山中池の時点でかなり混み合いますので、ゆっくり座りたい方は「広大中央口」から乗ってぐるっと キャンパスを一周されるのがいいでしょう。詳しくは 理学部のページ キャンパスマップをご覧下さい。

B707へ

初心者には理学部の建物の入り口が分かりにくいので注意が必要です。 A棟とC棟をB棟がつなぐようにH形の構造をしています。 その各継ぎ目にエレベータが設置してありますのでそれを利用して7階までおいで下さい。 7階のHのちょうど真ん中辺りに会場となる部屋があります。 基本的には建物のどこの入り口からでも入れますが、 理学部の正面玄関(学生への掲示がたくさん張り出してあるピロティがあり、E棟にあります) からはルートを見いだしにくいと思いますので、それ以外の進入路をお探し下さい。 ちなみに、斜面に建てられているのでC棟の基部は1階でA棟の基部は0階となっており、 その点でもややこしい構造になっています。

宿泊に関する情報

東広島市の天気





広島複素解析セミナーでは,複素解析学や,ポテンシャル論・力学系理論・ 複素領域における微分方程式論など,その関連分野に関して,学内外から 講演者を招き,当面は毎月一度の第二水曜日に定期的に開催いたします. 聴講は自由ですが,講演の申し込みや講演者の推薦などにつきましては, 以下の世話人のいずれかに連絡して下さいますようお願いいたします. (SPAM対策のため,全員のメールアドレスをここに公開することはしませんが, そのかわりに理学研究科内の連絡先を仮の代表として公開しておきます.)

世話人

連絡先

739-8526 広島県東広島市鏡山1-3-1
広島大学大学院理学研究科数学教室
電話(数学事務室)082-424-7350, FAX 082-424-0710
(市外局番が2004年2月より変更になりました.広島市と同じですが, 広島市は市外扱いとなりますのでご注意下さい.)

須川 敏幸  (sugawa@math.sci.hiroshima-u.ac.jp
吉野 正史  (yoshino@math.sci.hiroshima-u.ac.jp

数理解析講座に戻る.