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2006年度線型代数学 II >
2006年度線型代数学 II の講義を終えて
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線型代数学 II 演習では,
ベクトル空間論(部分空間, 基底, 次元, 線型写像, 内積, ...)
および固有値・固有ベクトル(直交行列, ユニタリ行列, 対角化, ...)
を扱った.
これらの内容に関して,
簡単な例に対して定義を確かめる問題,
定義から簡単な性質を導く問題,
計算問題,
高校数学と絡めた問題(数列の漸化式と行列の固有値とか)
などを演習問題として配布した.
多くの問題は, これ以上簡単にできないレベルの問題であった.
(一応, 双対空間に関する問題なども, 応用問題として入れてはおいた. )
7割くらいの問題は演習時間中に発表されたと思う.
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演習は通常通り, 学生が黒板を使って演習問題の解答を発表する, という方式で行った.
ただし, 発表はあらかじめ黒板に解答を書いておくのではなく,
その場で説明をしながら板書をして発表することとした.
(その方が発表者の練習になると思ったから.
良かった点:
質問や突込みをしやすい.
実際, 学生からも質問が出るなど, 聞いてる方にとっても良かったと思う.
悪かった点:
発表時間が必然的に長くなる. )
また, 当初は発表への立候補者が多すぎた為,
発表できなかった学生はレポートを提出すれば加点するという方式を採用した.
(この方式にしてから, レポートを提出したことで満足したのか発表者が減ったので,
途中で取り止めた. バランスが難しい.
点数にならなくても良いからレポートを見て欲しいと言って,
継続的にレポートを提出し続けた意欲的な学生が結構現れたことは,
良かった点かも知れない. )
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発表を1回もしていない学生は,何があっても演習の単位は無し, とした.
事前に何度も宣言した甲斐があったのか,
その条件によって単位を落とした学生は居なかった.
この科目の合格不合格は, 基本的に線型代数学 II と連動させた.
(これも事前に宣言していた. )
評価は, 演習独自に行った中間試験 + 講義の期末試験 + 発表 + レポート,
によって決定した.
評価の分布は以下の通り:
S: 4 名,
A: 7 名,
B: 14 名,
C: 11 名,
D: 17 名
(登録 64 名)
演習独自の中間試験の点数と講義で行った試験の点数を比較すると,
概ね相関は見られるものの,
両者の点数が著しく乖離している学生も数名居た.
そういう学生の中には, 演習の試験の点数は良かった筈なのに何故か不合格になってしまった,
という人も居る.
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この演習では, 学生同士の相談や, 発表に対する学生からの質問や突込みを歓迎した.
多少は達成できたとは思うが,
如何せん登録者数が多く, 発表をいっぱいこなさないといけない状態だったので,
あまりゆっくり出来なかった.
それを補う為に, 今回の演習の授業には, 3 名の TA にも参加して貰った.
(TA は, 学生の発表に質問や突っ込みをしたり,
学生からの質問を受け付けたりしてくれた. )
あまりゆっくりは出来なかったが, しかし, 演習の時間は
「全然分かりません」
という学生の相手をする補習の時間ではないので, これで良いような気がする.
全然分かりませんという学生は,
友達・先輩・TA・担当教員・その他の教員などに,
授業時間外に質問または相談に行くことを推奨する.
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