教養ゼミ (2004年度前期) の講義を終えて
教養ゼミの目的は「履修の手引」などに書かれている通りだが,
田丸の担当するクラスでは特に,
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数学独特の言い回しや表現に慣れる,
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定義・定理・証明といった大学の講義スタイルに慣れる,
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数学の用語・記号を確実に理解し, 使用できるようにする,
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集合・論理・写像を理解し, 数学記号を有効に使えるようにする,
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学生同士で数学について議論する習慣をつける,
といったことを目的とした.
教養ゼミの進め方は,
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論理記号・数列・写像などの基本的な演習問題をプリントにして配布,
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学生に順番に問題を割り振り, 学生は担当の問題の解答を黒板で発表する,
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他の学生はそれを聞き, 質問したり突っ込んだり助け舟を出したりする,
というものである.
演習問題の内容は要するに,
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∀とか∃の入った文章を読む, それを使って証明する,
という練習をする問題.
また, こちらからも適宜質問をし, 理解度を確認する為の試験も行った.
ちなみに演習問題や試験問題は, 例えば,
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数列 an = 1/n が 0 に収束することを定義に従って示せ,
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写像 f : R → R : x → x2 は全射か?
(全射かそうでないかいずれかを示せ)
などの, これ以上ないくらい基本的な問題から始まっている.
そして最終的には
「全射と全射の合成は全射であることを示せ」
のような応用問題(!)を扱った.
学生の理解度はともかく, 理解度の進歩は大きかったと思う.
また, 発表に対して他の学生から活発に突込みが入っていた点は, 非常に良かった.
ちなみに, 試験に(本当の)応用問題として,
写像の押し出しや引き戻しに関する証明を出題したのだが,
それにきちんとした解答を与えた学生も存在したことは, 明記しておきたい.
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