平成24年度 広島大学公開講座

「数学の基礎と展望」

― なぜ、数学は面白い―

平成24年8月10日 (金)

広島大学理学部E棟1階 E102 講義室

「誤りを訂正する数学」 平岡 裕章 氏
「格子点と特異点解消」 石井 亮 氏
「2次関数と試験の成績?」 阿部 誠 氏


     

1. 趣旨

本公開講座「数学の基礎と展望」は、広島大学理学部数学教室主催の大学公開事業として 平成4年度に始まり、今回で21回目となります。 講演を、九州大学の平岡裕章氏、広島大学の石井亮氏と阿部誠氏にお願いしました。
 現在、私たちが学校で学んでいる算数・数学は四千年以上の年月を超えて受け継がれてきました。特にこの四百年の間の進展はめざましいものがあり、私たちの興味に応じてかなり深い内容についても学ぶことができる環境が整っています。大学では今、この流れの中で数学に魅せられた人々が日々数学を学び、研究しています。なぜ、数学を面白いと感じるのでしょうか。それは人それぞれです。各先生方のお話を通じて、数学に触れ、全身で数学を感じて下さい。そして数学の面白さを改めて発見してみましょう。そのような機会としていただこうと思いこの公開講座を企画致しました。

2. 受講対象者

高校生 (学年不問) 及び数学に関心のある方

3. 受講料

無料

4. 実施場所

広島大学理学部E棟1階 E102講義室 (東広島市鏡山1-3-1) (交通案内と宿泊の案内)

5. スケジュール

8 月 10 日 (金)   9:15 ―      受付
10:00 ― 10:10   開講式
10:10 ― 11:40   「誤りを訂正する数学」 平岡 裕章 氏
11:40 ― 13:00   昼休み,特別懇談昼食会
13:00 ― 14:30 「格子点と特異点解消」 石井 亮 氏
15:00 ― 16:30 「2次関数と試験の成績?」 阿部 誠 氏
16:30 ― 16:40 修了式

6. 講師・講義内容の紹介


「誤りを訂正する数学」

平岡 裕章 氏      
デジタルな世界にひそむ数学を「誤り訂正」という視点から体感してもらおうと思います。コンパクトディスクは多少傷がついても再生できますし、携帯電話で話しをするときも少々のノイズであればその影響は除去されます。ここには「誤り訂正符号」という数学が使われています。この講演では誤り訂正符号の基礎を実演も交えながら説明することで、現代社会における数学の有用性を紹介したいと思います。

[講師自己紹介]

平岡 裕章(ひらおか やすあき) ホームページ  
九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 准教授
 
「おっ!」 と思わせる応用数学の一分野を自分で作れるよう、あるときは純粋数 学の世界をさまよい、またあるときは技術者や実験家に進む道を尋ねながら研究 を進めています。趣味は魚釣りと野菜栽培です。

 


「格子点と特異点解消」

石井 亮 氏      
格子点に釘が打ってあるとします。そのうちの3本に輪ゴムを掛けて三角形を作ります。ただし、輪ゴムはいつも伸びているとします。3つのうち1つの釘をはずすと、輪ゴムは縮んでいくつかの釘にひっかかります。このとき輪ゴムはどのような形になっているでしょうか? この問題には、ある有理数の「(引き算による)連分数展開」を使って解答を与えることができます。そのことと、この問題がある「代数曲面」の「特異点」を「解消」する話と関係がある、という話の解説をしたいと思います。

[講師自己紹介]

石井 亮(いしい あきら)
広島大学 大学院理学研究科 准教授
 
広島へ来て8年目、子供もちょうど8歳になるところです。 数学では代数幾何学という分野の研究をしています。 今回の話は、図形(あるいは空間)を「埋め込んで作る」、 「貼り合わせて作る」、「割って作る」という 代数幾何学の重要な操作にも関連しています。


「2次関数と試験の成績?」

阿部 誠 氏      
高校の数学では2次関数・2次方程式のことを学びます。これは中学で学んだ1次関数・1次方程式に比べるとやや難しく感じられ、また、暮らしの上では何の役にも立たないようにも思われ、例えば2次方程式の解の公式など、中学校では教える必要はないとの議論がかつてありました。しかし、3次関数・3次方程式やその他の関数・方程式に比べれば、微積分の助けもいらないので、学びやすい教材であり、実際のところ、その扱いやすさのためか、様々な場面で出会うものです。この観点に立って2次関数・2次方程式の話をしてみましょう。さて、タイトルの後半も気になりますか?

[講師自己紹介]

阿部 誠(あべ まこと)
広島大学 大学院理学研究科 教授
 
これまでずっと、微分積分・線形代数などの数学に関する 専門基礎科目・一般教養科目の教育に携わってきました。 大島商船高等専門学校、熊本大学医療技術短期大学部、 熊本大学を経て、平成23年3月より広島大学で勤務しています。 専門は多変数関数論・複素解析幾何です。


7. 企画

お昼休みに、教員の方を対象として、 高校教育と大学教育の情報交換のための を開催いたします(1050円程度の昼食代は自己負担になります)。 参加ご希望の教員の方は、 こちらをご覧下さい。

8. 募集人員 

9. 申込方法

この公開講座の受講申し込みは、 広島大学エクステンションセンター で受け付けています。 お申し込みいただいた方には、受講票と本講座のテキストを送付いたします。 テキストの発送は7月中旬の予定です。

   平成24年7月11日(水)(当日消印有効)

までに お申し込みください。 締め切り以降でも可能な限り受け付け致しますが、 テキストの発送が遅れることがあります。 また、募集人員を超えた場合にはご希望に添えないことがございます。 ご理解のほどよろしくお願いいたします。

高校生の皆様および教員の方には、高等学校からの一括申し込みと いう方法もございます。 こちら をご覧下さい。

10. 問い合わせ先

〒739-8526 東広島市鏡山 1-3-1
広島大学理学部 数学教室 公開講座係
電話: 082-424-7350 (数学教室事務室)
FAX : 082-424-0710 (数学教室事務室)
電子メール:koukai@math.sci.hiroshima-u.ac.jp

11. リンク

広島大学理学部 数学教室交通と宿泊の案内

広島大学エクステンションセンター

過去の公開講座の記録




主催 広島大学理学部数学教室
共催 広島大学総合科学部数理情報科学教室
後援 広島県教育委員会、広島市教育委員会、東広島市教育委員会