講演内容:因果推論の方法として知られる差の差法(Difference-in-Differences, DID)と合成コントロール法(Synthetic Control, SC)について,アウトカムがユークリッドデータの場合を扱う従来の枠組みをより一般の場合に拡張することを考える.具体的には,DIDとSCをアウトカムが距離空間に値をとる場合に拡張する.拡張にあたり測地線を用いた因果効果の導入し,その推定方法を Geodesic DID (GDID), Geodesic SC (GSC)として提案する.GSCについては,時間があれば,(1) 回帰モデルを組み込んだ Augmented GSC, (2) GDIDとGSCを組み合わせたGeodesic Synthetic DID についても紹介する.また応用例として,アウトカムが組成データの場合と確率分布の場合のデータに提案手法を適用した結果についても紹介する.
若木宏文・②伊森晋平・①橋本真太郎・門田麗・小田凌也