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2006年度幾何学 C・多様幾何基礎講義 A >
2006年度幾何学 C・多様幾何基礎講義 A の講義を終えて
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この講義では, リー群および等質空間を扱った.
等質空間の例,
リー群とリー環の対応,
リー群の商空間の多様体構造, が主な話題である.
また最後に, リーマン多様体に関する話題にも触れ,
リー群の商空間の上のリーマン計量や曲率テンソルなどは,
リー群やリー環を用いて表すことが出来る, ということを紹介した.
教科書は特に指定せず, 数冊の参考書を指定し,
講義時には内容をまとめたプリントを配布した.
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この講義の登録者は,
大学院生が 27名, 学部生が 23名であった……
(初回の講義で教室に入ったとき, 教室を間違えたと思った).
当初は, レポートを頻繁に課してそれで成績を付ける予定であったが,
登録者数を見て方針を変更し, レポートおよび期末試験で評価をすることとした.
大学院生にも期末試験を課した.
ちなみに期末試験の頃には, 学部生は大半が脱落していた.
合格者は, 大学院生 22 名, 学部生が 3 名(!)
(登録名簿には載ってるけど単位は不要, みたいな学生も居たので,
生き残っていた学部生は実際にはもう少し多い).
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期末試験の問題は, レポートの問題を少し簡単にした問題ばかりを並べた.
レポートで自分が書いた内容を理解していれば, 容易に解ける問題,
というつもりだった.
しかし(予想通り), レポートでちゃんと書いていたのに試験では書けない,
という学生も数名は居た.
レポートを提出していなくても試験さえ出来れば合格にするつもりであったが,
そんな学生は居なかった.
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試験問題の最後の方には, 解けなくても良いというつもりで
(幾何系の院生はこの先のために勉強してね, というつもりで)
難しい問題も入れておいた
(ちなみに, 双曲平面を可解群モデルで表示して,
その Levi-Civita 接続をリー環を用いて表す問題).
試験時間中に, そこまで解答した学生が数名居たことには, 驚かされた.
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今回の講義は, 4月末に行われた小林俊行先生の集中講義と,
内容的に関連する部分が多かった
(というか, 集中講義を補足する為に,
講義の最初の方に関連する事柄を紹介しておくなどの配慮はした).
両方を受講した学生にとっては, 良かったのではないかと思う.
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教育実習に参加する学生にとって,
その期間に講義に出席できないことは, かなり大きいようだ.
これには配慮する必要があるかも知れない
(来年度以降に担当する時までに, 考えときます).