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2005年度数学通論 II >
2005年度数学通論 II の講義を終えて
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この講義では, 位相空間の一般論と, 単体的複体のホモロジー群を扱った.
特に位相空間論に時間を割き, 基本的な概念を身に付けると共に,
「定義に従って証明すること」の習得を大きな目的とした.
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教科書は,
「トポロジーと幾何学入門」(I.M.シンガー, J.A.ソープ 共著, 培風館)
を使用した.
講義の順序は, ほぼ教科書に沿ったものである.
また, 講義内容をまとめたプリントを毎回配布した.
プリントは, 全体の流れが分かりやすいように, 定義と定理が並べられたものである.
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講義中に証明する場合,
「示すべきことは何か」
を最初に宣言し, まずそれを黒板に書くようにした.
そして, その示すべきことに従って(順番を律儀に守って)証明を行うように心がけた.
特に, その順番を意識させる為に, 証明のパートごとに番号を付けたりした
(示すべきことが「∀y, ∃x : y=f(x)」の場合,
証明は「∀y」「∃x」「y=f(x)」の3つのパートに分かれる, というようなこと).
全く効果が無かったとは思わないが・・・.
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この講義では中間試験および期末試験を行った.
どちらも 100 点満点で, 受験者は 53 名,
中間試験の平均点は 35.8 点, 期末試験の平均点は 33.6 点であった.
田丸としては基本的な問題を出したつもりであったので,
上の目標は達成されたとは言い難い.
ちなみに, 試験問題には, 必要な定義をほとんど書いておいた.
その上で「定義に従って証明せよ」という問題を多く出題した.
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中間試験の後に, 自分が出来なかった問題をレポートして提出することとした.
また, そのレポートは返却し, いつでも再提出可能, とした.
これは, 要するに「証明を書く練習をする」ことを目的としたものであり,
その練習を田丸が添削をします, という趣旨であった.
ちなみに, 何かを丸写ししたとしか思えないレポートが多かった.
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成績評価は, 中間および期末試験の点数を元に付けた.
なお, ボーダー付近では,
レポートおよび試験問題に書かれた自由問題によって加点を行った.
結果, A が 8 名, B が 9 名, C が 16 名であった(合格者 33 名).
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講義への平均出席者数は 35〜40 人くらいであり,
教室の後の方のごく一部を除いて, 参加態度は非常に真面目であった.