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2005 年度幾何学 D・多様幾何基礎講義 B >
2005年度幾何学 D・多様幾何基礎講義 B の講義を終えて
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この講義では, 多様体およびリーマン多様体を扱った
(具体的には, 接空間, ベクトル束, リーマン計量, 接続, 曲率など).
特に双曲平面の場合に, 定義に従って Levi-Civita 接続や断面曲率を計算した.
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教科書は特に指定せず, 講義内容をまとめたプリントを配布した.
プリントは, 全体の流れが分かりやすいように, 定義と定理が並べられたものである.
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初回講義時にアンケートを取り,
参加する学生の学年・専門・予備知識などを書いて貰った.
平均的な回答は
「多様体の定義と接空間と接ベクトルは知っているが,
微分形式あたりからは良く知らない」
というものであった.
ちなみに受講者の大部分は4年生であった
(学部生の登録者が 17 名というのは, 全くの想定外だった).
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アンケートの結果を鑑み, この講義の前半 1/3 くらいは,
曲面論および多様体論の復習として, 両者の関係を中心に述べた
(例えば, 曲面の直感的な意味での接空間と, 多様体としての接空間が,
自然に同じものと見なせることなど).
この部分は, この講義で扱う必要は特に無いような気もする.
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この講義の真ん中の 1/3 くらいで,
多重線型代数(テンソルとか), ベクトル束, ベクトル場, 微分形式, テンソル場,
などについて扱った.
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最後の 1/3 くらいで, ようやくリーマン幾何の入門的な内容を講義した.
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この講義では, 適当に演習の時間を設けた.
その演習問題への解答状況を見て,
受講生の理解度を直に見ることが出来たことは,
田丸にとっては有益であった.
学生にとっては時間が短かったようなので,
普通にレポートにした方が良いかも知れない.
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成績は, 中間試験, それを解き直したレポート, 期末レポート, によってつけた.
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本来はリー群にも触れたかったのだが,
前半ゆっくりやり過ぎて到達しなかった.
その話題に期待して出席していた学生には, 申し訳なかった
(しかし, 履修していない学生のリクエストには,
どの程度答えれば良いのだろうか・・・).