幾何学 A (2005年度前期) の講義を終えて
この講義では, 曲線や曲面の幾何学を扱った.
目的は,
曲線や曲面の「曲がり具合」などの幾何学的性質を調べることが出来るようになること.
また, ただ曲率が計算できれば良しではなく,
多様体論や微分幾何学の入門となるように心がけた.
テキストおよび参考書として以下のものを挙げた:
テキスト:「曲線と曲面」(梅原雅顕・山田光太郎 共著, 裳華房)
参考書:「多様体」(荻上紘一 著, 共立出版)
この講義では中間試験と期末試験を行い,
その点数(ただし 1:2 で期末試験の配点を重くした)に,
レポートや試験答案の番外問題を加味して成績を判定した.
具体的な試験および成績評価の結果は, 以下の通り
(不合格の中には登録だけしていて試験を全く受けていない学生も含まれている).
中間試験の平均:69.5点
期末試験の平均:56.1点
A:12名, B:25名, C:7名, 不合格:9名
試験および成績の感想:
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概して試験の出来は良かったのではないかと思います.
殆ど白紙という答案も結構あったのに, 上記のような平均点ですからね.
計算してないけど感覚的には中間試験の合格者平均は 80 点くらいな感じです.
ちなみに合格ラインは平均 60% 弱くらい.
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勿論, 単純な計算問題と比較して,
概念を問う問題の出来は極端に悪くなる傾向も見受けられました.
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計算問題であっても,
「何を計算しようとしているのか」
に関する目的意識および幾何学的直感は重要である,
ということを講義でもう少し強調すべきだったかも知れません.
「第 1 基本形式を求めよ」という問題で,
解答が実数とか関数になってる人が複数居ました.
また, 半径 r の球面の単位法ベクトルを計算したときに,
その中に r が残っている答案も多かったです(何故?).
単位法ベクトルの定義から, それは変だと思って頂きたい.
以下, この講義で特徴的だと思われる(こちらが意識して工夫した)部分を挙げる.
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講義全体の流れを把握しやすくする為に,
定義と定理の主張をまとめたプリントを毎回配布した.
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講義の最初に毎回, 「今までの流れ」「今日の目的」を述べるようにした.
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試験問題に必要な定義を書いておいた(記憶力を問うことが目的でない).
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試験で「ヤマを張ったのに外れた問題があったらその問題と解答を書け」
という予備問題を出し, その解答によって若干補点した
(「ヤマを張る」ことを推奨するため.
それは, 全体の中で何が重要かを考えることに繋がると思うから).
最後に, 積極的に参加および意思表示をしてくれた学生に感謝したいと思います.
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