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回帰分析において,テストデータにおける目的変数の予測は重要な問題の一つである.パラメータの推定に用いる訓練データと当てはまりを評価するテストデータの従う分布が異なる場合,分布の差異を考慮しない従来の推定手法ではその妥当性は保証されず,近年,このような状況に適した手法の研究が盛んに行われている.本発表では,共変量の従う分布が訓練データとテストデータ間で一致しない,共変量シフト下での予測問題を考える.特に,高次元線形回帰モデルにおける予測値の構成に対し,アルゴリズムベースの手法を提案し,その漸近的性質を導出する.また,シミュレーションを通して従来法との比較も行う.
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本発表では,多変量回帰モデルにおける変数選択のための Generalized Cp 規準の一致性を取り扱う.Yanagihara (2016) により,標本数は無限大とするが目的変数の次元数を無限大でも固定でもどちらでもよいという漸近枠組みにより一致性を保証した,High-dimensionality-adjusted Generalized Cp (HCGCp) 規準が提案された.この規準は真のモデルの分布が正規分布であるという仮定の下で導出されたものであるが,本当に真のモデルの分布が正規分布であるかどうかはわからない.本発表では,あるクラスの非正規分布でも,正規性の下で提案されたHCGCp規準が一致性を持つことを示す.
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ベイズ推定におけるクラメール・ラオの不等式として,van Trees (1968),Borovkov and Sakhanenko (1980), Brown and Gajek (1990), Gill and Levit (1995)など様々なものが知られている.これらの不等式で与えられる下界は,推定量の良さを評価するものとして重要な役割を持つ.下界の値が大きいほどベイズリスクに対する良い評価を与えるので,優れた不等式になる.本講演では,これらの不等式のいくつかを紹介し,その(漸近的な)優劣について述べる.
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This paper analyzes high-frequency stochastic volatility (SV) models for the Japanese stock index. Apart from the standard daily-frequency SV models, the high-frequency SV models are fit to intraday returns by extensively incorporating intraday volatility patterns. Following Stroud and Johannes (2014), the model consists of the persistent autoregressive stochastic volatility process, seasonal components of the intraday volatility pattern, and correlated jumps in prices and volatilities. We develop an efficient Bayesian MCMC algorithm with the multi-move sampler for the autoregressive SV process. We provide the empirical analysis using the 5-minute returns of Nikkei225 index. The model comparison based on volatility forecasting performance indicates that the high-frequency SV model improves commonly-used realized volatility forecasts.
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階層型な構造を持つデータを想定し,階層型一般化線形モデルを取り扱う.特に,線形予測子の切片項に群内で共通のランダム係数を導入することで,群ごとの相違を記述することができる.このとき,尤度関数は,ランダム係数の分布に関する積分を含むため,例えばガウス・エルミート法のような近似積分が用いられている.本発表では,ラプラス近似を用いて得られる近似尤度方程式の解として得られる推定量の有用性について報告する.
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本研究ではマンションの賃料の予測問題を取り扱っている. マンションの賃料は, 地域効果とよばれる地域が賃料に与える影響に強く依存しているため, 賃料を予測する際には地域効果を考慮しなければならない. そのためにgeneralized Lassoを用いた地域効果のクラスタリング法を提案する. 地域効果をクラスタリングすることで, 地域効果の影響を取り除いた精度の高い賃料の予測を行うことが期待できる. 本発表では, generalized Lassoを用いたクラスタリング法を紹介し, 実データに適用した結果を報告する.
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