講演内容:
経時データ解析における, 一般化推定方程式(GEE)を用いたモデルに対する変数選択問題について考える.
Liang and Zeger (1986)は経時データの平均構造のモデル化において, GEEを用いたモデリング手法(GEE法)を提案した.
GEE法では尤度を構築することができないため, モデル選択の際にAIC等の尤度を基にした規準は使えないという問題がある.
しかし, AICに代わるモデル選択規準はQICをはじめとして既にいくつか提案されている.
だが,先行研究で提案された選択規準の多くは, 経時データが通常持つ変数間の相関を考慮せずに導出されている.
本講演では, 変数間の相関を考慮した変数選択規準, GPMSEを提案する.
また, いくつかの数値実験の結果を交えて, GPMSEとQICの比較などを述べる.
講演内容:
多変量正規母集団に対してWakaki, Eguchi & Fujikoshi(1990)が扱った一般的な共分散構造に関する検定問題を拡張する。
平均ベクトルと共分散行列の両方に一般的な構造が入った仮説検定問題と検定統計量のクラスを設定し、検定統計量の分布の漸近展開公式を導出する。
特に平均と共分散行列のパラメータが独立である場合の漸近展開公式を求め、その具体的な例としてランダム効果を持つパラレルプロファイルモデルのも・ニでの漸近展開を与える。
講演内容:
釣合い型不完備ブロック計画(Balanced Incomplete Block Design,以下BIBデザイン)は実験計画,符号理論および有限幾何などの分野と関係があり,統計的側面だけではなく,組合せ論的側面から構成問題や他分野への応用について研究されている。
本講演では,組合せ論的な視点から,BIBデザインの基本的な概念および構成法を紹介するとともに,加法的なBIBデザイン集合の存在性とその応用に関する研究結果を述べる。