2010年度


(注意)タイトル後の [研究報告] などはカテゴリーを表します.

次回の金曜セミナー

第11回金曜セミナー

日時:2010年 12 月 3 日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:松下幸敏氏 (筑波大・人文社会科学研究科)

講演題目:Second-order refinement of empirical likelihood for testing overidentifying restrictions  [研究報告]

講演要旨

This paper studies second-order properties of the empirical likelihoodoveridentifying restriction test to check the validity of moment condition models. We show that the empirical likelihood test is Bartlett correctable and suggest second-order refinement methods for the test based on the empirical Bartlett correction and adjusted empirical likelihood. Our second-order analysis supplements the one in Chen and Cui (2007) who considered parameter hypothesis testing for overidentified models. In simulation studies we find that the empirical Bartlett correction and adjusted empirical likelihood assisted by bootstrapping provide remarkable improvements for the size properties.


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以前の金曜セミナー

第10回金曜セミナー

日時:2010年 10 月 22 日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:柳原宏和氏(広島大・理学研究科)

講演題目:AICのバイアス補正について  [ベーシック・研究報告]

講演要旨

赤池情報量規準 (Akaike’s Information Criterion: AIC) は定義が 簡単なため,実解析において頻繁に用いられるモデル選択規準である.しかしな がら,標本数が小さい場合やパラメータが多い場合,さらには仮定した分布が真 の分布と異なる場合において,無視できないバイアスが存在することも良く知ら れている.本発表では,一般的なAICのバイアス補正法を紹介し,多変量正規線 形モデルにおける数々のモデル選択規準を数値実験により比較する.

第9回金曜セミナー

日時:2010年 7 月 23 日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:福井 敬祐 氏(広島大・理学研究科・M2)

講演題目:多変量一般化リッジ回帰モデルにおけるモデル選択法  [ベーシック・研究報告]

講演要旨

多変量回帰モデルの推定に用いられる最小二乗推定量には、説明変数間 の多重共線性が強い場合、分散が大きくなり不安定になるという問題点が ある。

この問題を回避する一つの方法としてリッジパラメータを用いて推定量 を改善する多変量一般化リッジ回帰モデル(Horerl and Kennard (1970))が ある。多変量一般化リッジ回帰モデルにおいては適切なリッジパラメータを 選択することが重要である。最適なリッジパラメータの選択法には、Cp規準 量やModified Cp規準量を用いる方法や、プラグイン法といったように、様々なものが提案されている。

本講演では、Efron(2004)で用いられた方法を多変量に拡張し、最適化法を 選択する規準量を提案する。また、この選択規準を用いてシミュレーション を行った結果を紹介する。


第8回金曜セミナー

日時:2010年 7 月 9 日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:聖川 裕太 氏(広島大・理学研究科・M2)

講演題目:GMANOVAモデルにおける一般化多変量リッジ回帰のためのバイアス補正 Cp 規準  [ベーシック・研究報告]

講演要旨

Potthoff and Roy (1964) により提案されたGMANOVAモデルは, 個体の経時変動を記述することができるモデルである. このモデルには, 個体ごとの共変量である個体間計画行列と, 個体間で共通な経時変動を記述するための基底関数行列である個体内計画行列の二つの説明変数がある. もし, 個体間計画行列の多重共線性が強ければ, 多変量線形回帰モデルと同様に, 回帰係数行列の推定量が不安定になることが予想される. そこで本講演では, 個体間計画行列にリッジパラメータを加えた新たな推定量を提案し, さらにリッジパラメータ選択のためのバイアス補正 Cp 規準量を提案する. また本発表では, 私自身の卒業論文についても紹介するので, 4年生は是非参考にしていただきたい.


第7回金曜セミナー

日時:2010年 6 月 18 日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:冨田 哲治 氏(広島大・原医研)

講演題目:交互作用モデルを用いた変化係数曲面の推測法とその適用例の紹介  [研究報告]

講演要旨

地理情報システムGIS (Geographic Information System)の進化にともない,空間情報を付加された空間データが入手可能になってきた.これにより,回帰分析において,空間上で一様な回帰係数だけでなく,空間上の位置とともに変化する回帰係数も考えることができるようになった.このような曲面としての回帰係数(以下,変化係数曲面)は,地理分布を視覚的に理解するのに有用である.従来の変化係数曲面の推定法は,固定された位置周辺の近傍データに対して局所的な回帰を繰り返すカーネル平滑化に基づく方法が一般的であり,空間全体を通した曲面としての同時信頼区間の構築や検定に困難があった.そこで,冨田・・イ藤・柳原 (2010) は,変化係数曲面の構造が基底と未知パラメータの一次結合で表現されるものに限定し,説明変数と基底の交互作用として表現することで変化係数曲面の推測法を提案した.本報告では,冨田・佐藤・柳原 (2010)の適用例として,生存時間解析に焦点をあて,位置情報を用いた比例ハザードモデルの推定について実データを交えて紹介する.


第6回金曜セミナー

日時:2010年 6 月 4日 15:50〜

場所:理学部 C816

講演者:礒崎 俊介 氏(広島大・理学研究科・M1)

講演題目:重回帰分析によるコンビニエンスストアのビールの売り上げ要因分析  [ベーシック]

講演要旨

重回帰分析とは, ある目的変数を最もよく推定または予測するために目的変数と関係のありそうな説明変数からなる観測データから偏回帰係数を求め, 回帰式をたて回帰推定値をもとに目的変数の推定または予測を行う方法である.

本発表では, コンビニエンスストアでよくビールが売れるのは, 日常のどのような要因が関わっているのかを調べるため, あるコンビニエンスストアに人気のある400日分のビール, 発泡酒の売り上げのデータを収集させていただき, その売上額を目的変数とし, 説明変数として, 月, 季節, 曜日, 天候, 来客数など12種類33個の説明変数と用いて重回帰式をあてはめた. そして変数選択を行い説明変数の中でも特に目的変数に影響を与えている変数を選び, その変数を売り上げを増加させる要因としてとらえ, 結果の考察を行った.


第5回金曜セミナー

日時:2010年 6 月 4日 15:30〜

場所:理学部 C816

講演者:伊森 晋平 氏(広島大・理学研究科・M1)

講演題目:数量化理論第I類について  [ベーシック]

講演要旨

多変量データ解析法として,重回帰分析や判別分析,主成分分析などがあるが, これらは数量データを用いて,分析する方法である.質的なデータを分析する上では,データに数量をあてはめる数量化理論がある. 本発表ではその内の数量化理論第T類について, 質的なものにどのように数値を与えれば, より最適なデータ解析が可能であるかについて例を交えて述べる.

数量化理論第T類は,分析しようとしている現象(外的基準)を数量Yとしその現象に関連するm個の項目(アイテム)中の区分(カテゴリー)の反応として, 測定されている質的説明特性X_1,…X_mに基づいて目的の特性数量Yを予測したり,アイテム・カテゴリーの要因分析などをする質的データ解析の方法論である.

なお,この分析は説明特性X_jが数量であるときの重回帰分析に呼応する.


第4回金曜セミナー

日時:2010年 6 月 4日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:橋山 祐亮 氏(広島大・理学研究科・M1)

講演題目:因子分析とその推定方法  [ベーシック]

講演要旨

因子分析とは、観測される多数の変数間の相関関係を分析し、 それらの変数の背後に潜む潜在因子を探索する多変量解析の 手法の一つである。

因子には、全ての変数に影響を与える共通因子と、それぞれの 変数に固有の影響を与える独自因子があり、因子分析モデルは、 各変数が共通因子と独自因子の線形結合によって表されるという 仮定のもとで構成される。

本発表では、因子分析モデルの簡単な説明と、パラメータである 因子負荷量行列、独自因子分散行列の推定方法を述べる。


第3回金曜セミナー

日時:2010年 5 月 21日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:加藤 賢悟 氏(広島大・理学研究科)

講演題目:パネルデータに対する分位点回帰法 [研究報告]

講演要旨

パネルデータ(経時測定データ)とは,各個人について多期間にわたって集 めたデータのことである.パネルデータを用いる利点として,各個人に依存した 個別効果をモデルに組み込むことで,個人の異質性を抽出できる点があげられ る.一方,分位点回帰とは,説明変数が与えられたときの従属変数の条件付分位 点を推定する統計的手法であり,近年,さまざまな応用分野で注目を集めてい る.一般に,パネルモデルにおいて個別効果をパラメータとみなしたと・ォの共通 パラメータの推定量のことを固定効果推定量と呼ぶ.ここで,個別効果をパラ メータをみなすと,個人数が増えていくに従いパラメータ数も増えていくという 特色がある.本講演ではパネル分位点回帰モデルを考察し,共通パラメータの固 定効果推定量の漸近的な性質を紹介する.


第2回金曜セミナー

日時:2010年 5 月 7日 15:10〜

場所:理学部 C816

講演者:秋田 智之 氏(広島大・理学研究科)

講演題目:独立性検定統計量の高次元漸近展開 [ベーシック・研究報告]

講演要旨

正規確率ベクトルx=(x1,x2,...,xp)をいくつかのサブベクトルに分割した時のサブベクトル間の独立性,すなわち共分散がOであるかどうかの検定として尤度比検定統計量のカイ2乗近似による検定方法がある(Box, 1949).しかし,次元数pが大きいときカイ2乗近似が悪いことが知られている.そこで本報告では前半に漸近展開のおおまかなアイデアを紹介した後,高次元エッジワース展開による正規近似を導出し,Boxの公式と比較する.また,エッジワース近似の精度に関して計算可能な誤差評価についても触れる.

キーワード:尤度比検定,漸近展開,高次元,誤差評価

予備知識: テイラー展開,特性関数(確率・統計 B のテキスト4・5章)


第1回金曜セミナー

日付:2010 年 4 月 16 日:

場所:理学部 C816

講演者:永井 勇 氏 (広島大・理学研究科)

講演題目:一般化多変量分散分析モデルにおける多変量一般化リッジ推定量とリッジパラメータ選択のための情報量基準 [研究報告]

講演要旨

Pottof and Roy(1974)で提案された一般化多変量分散分析(GMANOVA)モデルは, 多変量線形回帰モデルを含んだ形であり, 成長曲線のデータなどの実データの解析にもよく用いられるモデルである.  GMANOVAモデルにおいて, ノンパラメトリック回帰を用いる場合, 説明変数の一つにスプライン基底関数からなる行列を用いる場合がある. このとき, LSEでは過剰な適合を示す・鼾がある.  一方で, 多変量線形回帰モデルに対する一般化リッジ回帰を用いた推定方法は, 柳原・永井・佐藤(2009)で提案された. この推定方法は, 説明変数に高い相関のある組がある場合にデータに対しての過剰適合を防ぐ一つの推定方法を拡張したものである. また, 同論文では, 新たに導入したパラメータの推定のための情報量規準が提案された.  本研究では, GMANOVAモデルへ柳原・永井・佐藤(2009)の推定法を拡張し, パラメータ推定のための情報量規準を与える.

予備知識: 多変量線形回帰モデルの知識は仮定します.


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