2010年度広島確率論・力学系セミナー






4月のセミナー



日時:2010年4月20日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:Nick Bingham 氏 (Imperial College, London)
題目:The theorems of Verblunsky, Szeg\"o, Baxter and Golinskii & Ibragimov
概要:This subject has two aspects. Mathematically, it concerns the theory of orthogonal polynomials on the unit circle (OPUC), of Gabor Szeg\"o (1895-1985) in 1915-21 and 1952; this is linked to Hardy spaces and outer functions. OPUC is the subject of the two-volume monograph by Barry Simon (2005), whose motivation was spectral theory. From the point of view of probability and statistics, it concerns the prediction theory of stationary time series (spectral theory providing the link between time domain and frequency domain). Questions include the influence of the remote past. Verblunsky's theorem (1935-6) shows that the key here is the partial autocorrelation cofficient (PACF) \alpha = (\alpha_n), studied in detail in a series of papers by Inoue (2000 on) and Inoue & Kasahara (2004 on). Szeg\"o's theorem (1920-21) links triviality of the remote past (when the spectral measure is absolutely continuous) with \alpha \in l_2. Baxter's theorem (1961-2) links \alpha \in l_1 with various probabilistic conditions, and involves the Wiener algebra; Inoue (2008) identifies \alpha \not\in l_1 with long-range dependence (LRD). The Golinskii-Ibragimov theorem(s) (1968, 1971), where \alpha is in the Sobolev space H^{1/2}, concern the ultimate form of the strong Szeg\"o limit theorem on Toeplitz determinants. This is closely linked to the Borodin-Okounkov theorem of operator theory (2000), and involves the Krein algebra.
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6月のセミナー



日時:2010年6月8日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:矢野 孝次 氏 (神戸大理)
題目:道路着色に従う有向グラフ上のランダムウォーク
概要:出次数一定の有向グラフの辺を色づけし, ランダムな色に従って動く整数径数ランダムウォークを考え, それがinnovation過程について可測になるかという問題を考える.この問題は, Tsirelson型確率方程式とみて強い解を持つかという問題,あるいは 定常過程とみてFurstenbergの意味で境界であるかという問題, に他ならない.結論として,強連結かつ非周期的との仮定の下で, 道路着色がsynchronizingであることが必要十分であることを示す.


日時:2010年6月15日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:梶野 直孝 氏 (京都大情報)
題目:Sierpinski gasket上の測度論的Riemann構造に対する熱核の漸近挙動解析
概要:木上 [Math. Ann. 340 (2008), 781-804] はSierpinski gasket上に「測度論的Riemann構造」 を導入した.そこでは関数の勾配ベクトル場,Riemann体積測度や測地距離といった, Riemann幾何学における標準的な概念の対応物が自然に定義され,さらに 空間が一種の「フラクタル」であるにもかかわらず,熱核についてGauss型評価 (「劣」Gauss型ではない)が成り立つ.
本講演ではこの場合の熱核のさらに詳細な短時間漸近挙動についての講演者の最近の 結果を紹介する.「Riemann多様体的」な漸近挙動としては,熱核の対数が 短時間の極限で測地距離の2乗に厳密に等しいこと(いわゆるVaradhan型漸近挙動), 頂点の近傍において熱核が1次元の標準的な熱核により良く近似されること などがわかった.一方,Riemann体積測度に関してほとんどすべての点において 熱核が非整数次元的な挙動を示し,またLaplacianの固有値の漸近挙動のオーダーに 全空間のHausdorff次元が現れそれも非整数であるなどの結果も得られており, フラクタルとしての空間の特異性も熱核に反映されていることが見て取れる.



7月のセミナー



日時:2010年7月27日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:福島 竜輝 氏 (東京工業大)
題目:Brown運動の生存確率とLifshiz tailの関係
概要:ランダムに配置された障害物中におけるBrown運動の生存確率の漸近挙動を 調べる問題はそれ自身確率論的に興味深い問題であるが、ランダム ポテンシャルを伴うシュレディンガー作用素のスペクトルの研究にも繋がる 側面を持っている。実際Brown運動の生存確率を配置のランダムネスについて 平均すると、ランダム作用素のいわゆる状態密度のLaplace変換と一致する ことが古くから知られており、この関連を利用してLifshizが予想した状態密度 の基底エネルギー付近での希薄性(Lifshiz tail effect)が初めて厳密に証明された。 本講演では、上記のLifshiz tail effectから障害物の配置を固定したときの Brown運動の生存確率の漸近挙動が導けるという結果を紹介する。 より具体的には下記の論文中のupper boundの証明とその周辺について話す。
Electronic Communications in Probability, vol. 14, paper 42, 435-446 (2009)


1月のセミナー



日時:2011年1月18日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:笠原 雪夫 氏 (北大理)
題目:An application of the alternating projection theorem to the finite prediction problem for stationary processes
概要:

日時:2011年1月25日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室

講演者:飯野 良仁 氏 (広大理)
題目:ランダムウォークの出会いについて

講演者:山下 正幸 氏 (広大理)
題目:マルコフ連鎖のカップリングについて


2月のセミナー



日時:2011年2月1日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:今津 賢太郎 氏 (広大理)
題目:フォワードLIBORについて


3月のセミナー



日時:2011年3月8日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:田中 晴喜 氏 (広大理)
題目:転送作用素の漸近摂動について
概要:Ruelle型作用素の漸近摂動を考える場合、スモールオーダー部分がLipschitzノルムに関して有界であり、かつsupremumノルムに関して0に収束しているならば、適当な条件の下固有値、固有関数、固有ベクトルの漸近展開が可能であった。 本講演では、そのような問題をBanach空間上で定義される線形作用素をつかったより一般の定式化の下で考える。 また、その定式化が実際にRuelle型作用素に適用できることも示す。



確率論月曜セミナー



日時:2010年5月13日(木)14:35〜
発表者:飯野 良仁 氏 (M2)
題目:Finite collision property of random walks I
日時:2010年5月20日(木)14:35〜
発表者:飯野 良仁 氏 (M2)
題目:Finite collision property of random walks II
日時:2010年5月27日(木)14:35〜
発表者:井上 昭彦 氏
題目:Alternating projection について
日時:2010年6月3日(木)14:35〜
発表者:田中 晴喜 氏
題目:記号力学系の特異摂動とは?
日時:2010年7月1日(木)14:35〜
発表者:田中 晴喜 氏
題目:Topological entropy
日時:2010年7月15日(木)14:35〜
発表者:田中 晴喜 氏
題目:Entropy
日時:2010年7月8日(木)14:35〜
発表者:井上 昭彦 氏
題目:伊藤の公式の証明について
日時:2010年11月4日(木)14:35〜
発表者:飯野 良仁 氏 (M2)
題目:Random walks on graphs and reversible markov chains
日時:2010年11月15日(月)14:35〜
発表者:飯野 良仁 氏 (M2)
題目:Electrical networks
日時:2010年11月22日(月)14:35〜
発表者:岩田 耕一郎 氏
題目:Counting process について
日時:2010年11月29日(月)14:35〜
発表者:岩田 耕一郎 氏
題目:Counting process の生成する filtration について
日時:2010年12月6日(月)14:35〜
発表者:山下 正幸 氏 (M2)
題目:Coupling について
日時:2010年12月13日(月)14:35〜
発表者:今津 賢太郎 氏 (M2)
題目:アフィン期間構造モデルについて
日時:2011年1月17日(月)14:35〜
発表者:大和 祐一 氏
題目:述語論理と構造、初等拡大構造の構成、初歩のnonstandard analysis、微分を離散的に扱うこと



last modified on 2011.2.24