2009年度広島確率論・力学系セミナー
6月のセミナー
- 日時:2009年6月30日(火)15:00〜
- 場所:広島大学理学部B棟B701室
- 講演者:井上 昭彦 氏 (広島大理)
- 題目:最適なリスク配分の存在について
- 概要:本講演ではn人が多期間でリスクを配分する空間的・時間的最適リスク配分問題を考える. 各人の選好は時間に依存するそれぞれの効用関数により記述されるとする. 本講演のポイントは, これまでの講演者たちの「有界なリスク」という設定ではなく, 「有界性を仮定しないリスク」という設定で議論することである. これにより, これまでの議論では最適リスク配分の存在を示せる具体的な効用関数の例として指数効用関数くらいしかなかったものが, かなり一般のクラスの効用関数に対して最適リスク配分の存在を示すことができるようになる.
長井英生先生(大阪大学大学院基礎工学研究科教授)が
11/9-11/13の日程で数学科・数学専攻の集中講義をされます。
- 講義題目:数理ファイナンスに現れる大偏差確率制御の問題
- 日程と時間割:
- 月(11/9) 9,10時限 (16:20-17:50)
- 火(11/10) 3,4時限 (10:30-12:00)
- 水(11/11) 5,6時限 (12:50-14:20)
- 木(11/12) 7,8時限 (14:35-16:05)
- 金(11/13) 3,4時限 (10:30-12:00)
- 講義室:いずれも理学部B棟7階B707
また談話会でも11月10日に講演されます。
- 日時:2009年11月10日(火)13:00〜14:00
- 場所:広島大学理学部B棟B707室
- 題目:Large time asymptotics of the probability minimizing down-side risk
- 要旨:数理ファイナンスに現れる次のような時間大域的問題を考察する。
各時刻 T において投資家の持つ資産が与えられた目標成長率を下回る確率を
最小化する問題を考える。
時刻 T を大きくした時の、この最小値の漸近的挙動を考察する問題を、大偏
差確率制御の問題ととらえる。
そして、対応するRisk-sensitive control の双対問題とみなすことにより、求
めようとする確率の漸近挙動を
明示的に表現する。また、その最適ポートフォリオを求める。
12月のセミナー
- 日時:2009年12月8日(火)15:00〜
- 場所:広島大学理学部B棟B701室
- 講演者:笠原 雪夫 氏 (北大理)
- 題目:単位円上の直交多項式とNehariの問題
- 概要:単位円上の直交多項式のVerblunsky係数について考える. これは定常過程の偏相関係数のアナロジーである. Szeg\"o関数が自分自身の偏角だけできまる場合, 重み付きL^2空間は特別な構造をもち, それに基づいた直交多項式の展開からVerblunsky係数の表現公式が導かれる. 本講演では, その結果とNehariの問題との関係について考察する. また, 関連する話題として, Baxterの定理と強Szeg\"o定理の拡張も紹介する.
- 日時:2009年12月22日(火)15:30〜
- 場所:広島大学理学部B棟B701室
- 講演者:田中 晴喜 氏 (広大理)
- 題目:熱力学形式に関する量とGibbs測度の漸近解析
- 概要:有限型サブシフト上で定義されるスモールパラメータ付き実数値連続関数の位相的圧力を考える.もし,そのパラメータ付き連続関数がある種の漸近性をもつとき,位相的圧力の値も漸近的性質をもつことを示した.特に,その漸近展開の各係数を計算するアルゴリズムを与えた.Gibbs測度と測度論的エントロピーについても同様の議論をおこなう.応用としてcookie-cutter集合のHausdorff次元の漸近的ふるまいを考察した.
2月のセミナー
- 日時:2010年2月2日(火)15:00〜
- 場所:広島大学理学部B棟B701室
- 講演者:徳永 裕介 氏 (広大理)
- 題目:n次元トーラス上のC^1級拡大写像のリアプノフ最適化測度について
- 講演者:須崎 清剛 氏 (広大理)
- 題目:写像トーラス上の各葉ブラウン運動に関する調和測度
- 日時:2010年2月23日(火)14:00〜
- 場所:広島大学理学部B棟B701室
各講演は質疑応答を含めて1時間で、適宜休憩を挟みます。
- 講演者:中田 寿夫 氏 (福岡教育大)
- 題目:投入確率が非一様な場合の壷と玉の衝突の個数について
- 概要:占有問題はFellerの教科書にも古典的な問題として扱われており、多くの応用研
究の基礎となっている。本講演では応用的な視野から Wendl(2003) により提案
された衝突のある占有問題について、投入確率が一様でない場合を扱う。任意の
階乗モーメントを示した後に、大数の弱法則を一般的に示し、大数の強法則がな
りたつための条件を与える。さらにはChen-Steinの評価式を含むポアソンの小数
の法則について議論する。
- 講演者:関根 順 氏 (京都大経済研究所)
- 題目:Portfolio insurance for long-term optimal investment
- 概要:長時間リスク鋭感的ポートフォリオ最適化や、
その”双対問題”と捉えられる長時間大偏差確率最適化を、
床制約を設けて考察する。これらの問題の最適解を実際に構成するのに、
いわゆるポートフォリオインシュランスの手法を
拡張・一般化して適用するのが有効であることを紹介する。
- 講演者:Andrea Macrina 氏 (京都大経済研究所)
- 題目:Market sentiment and the probability of default
- 概要:
last modified on 2009.4.11
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