2007年度広島確率論・力学系セミナー






5月のセミナー



日時:2007年5月15日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:三上敏夫氏 (広島大工)
題目:Stochastic control with fixed marginal distributions
アブストラクト:
 固定された周辺分布の下での確率最適制御問題は、今までほとんど研究されて いなかったが、 その萌芽は、確率量子化の研究に見られる。 本講演では、このような問題への一つの処方箋を与える。 また、応用として、確率過程に対する周辺分布問題を考える。


日時:2007年5月29日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:Shuenn-Jyi Sheu氏 (Academia Sinica)
題目:On Some Diffusion Processes with Large Drifts
アブストラクト:
 We consider the following diffusion processes on $d$-dim torus,

$$ dX^{(c)}(t)=c b(X^{(c)}(t))dt + dB(t), $$

$B(t)$ is the Brownian motion, $b(\cdot)$ is a divergence free ($div(b)=0$) smooth vector field with period 1, $c$ is a large parameter. This diffusion process has Lebsegue measure (on torus) as invariance measure due to the condition $div(b)=0$. This is a particular example of more general class of diffusion processes,

$$ dX^{(c)}(t)=(-\nabla U(X^{(c)}(t))+ c b(X^{(c)}(t))dt + dB(t), $$

with $U, b$ periodic and satisfying

$$ div(b\exp(-2U))=0, $$

such that they have $\mu$ as the invariance measure,

$$ d\mu=\frac 1Z \exp(-2U(x)) dx. $$

Such diffusion processes appear in MCMC(Markoc Chain Monte Carlo) that one chooses particular $b$ to simulate the underlying distribution $\mu$. A main concern is how well the distribution of $X^{(c)}(t)$ approximate $\mu$ and how to choose a better $b$. We are able to say some quantitative behaviors of such processes by taking $c$ large.


6月のセミナー



日時:2007年6月19日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:市原直幸氏 (岡山大自然)
題目:Hamilton-Jacobi方程式の解の長時間挙動について
アブストラクト:
 Hamilton-Jacobi方程式に対するCauchy問題について, 長時間経過後に解がある定常状態に収束するための, ハミルトニアンと初期条件に関する条件を考察する.



7月のセミナー



日時:2007年7月10日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:樋口 雄介氏 (昭和大学)
題目:有限グラフ上の酔歩の被覆時間
アブストラクト:
 有限グラフの上の酔歩がグラフの全ての頂点を訪ずれる 最小時間である被覆時間について,大輪・白井両氏によって最近得られた 結果を紹介するとともに,その応用としての被覆時間の期待値を支配する グラフの幾何構造の解析を議論する.



11月のセミナー



日時:2007年11月20日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:大輪 拓也氏 (九州大数理)
題目:有限グラフ上のランダムウォークの被覆時間
アブストラクト:
 有限グラフ上のランダムウォークが全ての頂点を 訪れる最小の時間を被覆時間とよぶ.この被覆時間の確率分布が メビウス反転公式から得られることを紹介し,いくつかのグラフに 対する被覆時間とその幾何構造との関係について考察する.


日時:2007年11月27日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:貝瀬 秀裕氏 (名古屋大情報)
題目:1階エルゴード型Bellman方程式におけるcritical valueの表現について
アブストラクト:
 本講演では,講演者の2階エルゴード型Bellman方程式の解の構造に 関する結果を動機として,1階エルゴード型Bellman方程式の粘性解の構造について 確率論的アナロジーの観点から考察する.特に,2階線形偏微分方程式における第一 固有値に相当するcritical valueと呼ばれる特別な値のmin-max的な表現を, 背後にある制御力学系が安定・非安定的な場合に分けて示す.また,時間があれば weak KAM理論で知られているcritical valueの表現との関係を説明する.



1月のセミナー



日時:2008年1月29日(火)15:00〜
場所:広島大学理学部B棟B701室
講演者:白井 朋之氏 (九州大数理)
題目:A survey on Schramm-Loewner-Evolution
アブストラクト:
 Schramm-Loewner-Evolution(SLE)はStochastic Loewner Equation とも よばれ関数論で古くから研究されている Loewner 方程式をブラウン運動を 用いてランダム化したもので、Loop-erased randomwalk やパーコレーション などの離散モデルのスケール極限を記述する連続モデルとして O.Schramm に よって導入されたものである。講演ではSLEの定義と基本的ないくつかの性質に ついて紹介する予定である。




last modified on 2008.1.10
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