●●● 談話会 ●●●

2024年度

第1回

日時: 5月21日(火)13:00−14:00
場所: 理学部E211
講師: 渡部拓也 氏 (立命館大学)
題目: 2 準位擬交差における量子ダイナミクスの準古典解析
要旨: エネルギー準位の擬交差における量子ダイナミクスの解析には,状態遷移の断熱近似が有効であると考えられている.本研究では,その数学のモデルとして,2 つの小さなパラメータを含む 1 階の常微分方程式系を考察し,2 準位間の遷移確率の漸近挙動を調べる.一方のパラメータは断熱近似として機能し,WKB 解析をはじめとする準古典解析が適用できるが,擬交差間のギャップに相当するもう一方のパラメータは相反する役割を果たし,パラメータの比に依存して,WKB 解析が適用できないケースが生じる.本講演では,エネルギー準位の接触交差によって生成される複数の擬交差が存在する場合,2 つのパラメータが遷移確率の漸近挙動にどのように影響をもたらすのかについて紹介する.本研究は,樋口健太氏(愛媛大学)との共同研究である.

2023年度以前


談話会委員 木村, 石原, 藤井

大学院先進理工系科学研究科数学プログラム