●●● 談話会 ●●●

2021年度

第1回

日時: 7月 13日(火)13:00−14:00
場所: Microsoft Teamsによるオンライン形式
講師: 田中晴喜 氏 (和歌山県立医科大学医学部)
題目: ホールをもつ摂動マルコフシステムとRuelle転送作用素のPerron補元
要旨:ホール(穴)をもつ摂動系とは,2つ以上の位相推移的な力学系の間に大きさεの小さいホールが開いており行き来出るが, ε→ 0 でホールがなくなるような力学系であり,開放系又は準安定系と呼ばれる非平衡力学系の一種である.ホールをもつ摂動系 における重要な問題の一つは,摂動系で定義される平衡測度がε→ 0 のとき,どのような重みづけで複数の平衡測度に分裂するのか, 又は振動し続けて収束しないのかという問題である.本研究では,この問題を記号力学系上のホールをもつ摂動マルコフシステム において考える.主な道具として,C. D. Meyer (1989) によって導入されたPerron補元と呼ばれる概念を用いる.同概念は最初, 巨大な非負行列のPerron固有ベクトルを効率よく計算するために導入されたものであるが,関数空間上の有界線形作用素である Ruelle転送作用素にも適用でき,平衡測度の分裂の問題に応用することができる.本講演では,この研究における過去の結果を紹介 する.もし時間があれば,可算無限状態をもつ記号力学系の場合に拡張した話も (講演までに進展があれば) 紹介する.

第2回

日時: 12月 21日(火)13:00−
場所: 広島大学理学部B棟7階B707
講師: 梶木屋 龍治 氏(佐賀大学理工学部数理科学科)
題目: 劣線形楕円型方程式の無限に多くの小さな解の存在
要旨: p-ラプラス方程式をディリクレ境界条件の下で考察する. この方程式に対して, 零解に収束する解の列が存在するための非線形項に対する 十分条件を与える. いくつかの楕円型偏微分方程式に対して, 零解が解集合の孤立点になるか集積点になるかを判定する.


2020年度以前


Last Update: 2021.6.5
談話会委員 島田, 飯島, 中川, 野崎

大学院先進理工系科学研究科数学プログラム