2015年度
第7回
- 日時: 1月 26日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 柳原 宏和 氏 (広島大学大学院理学研究科)
- 題目: Consistent Information Criterion in Normal Multivariate Linear
Regression Models even under High-Dimensionality
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:正規性を仮定した多変量線形回帰モデルにおける変数選択において,標本
数のみを無限大とする大標本漸近理論に枠組みでは,一致性を持つ情報量規準は
多く存在する.標本数と目的変数ベクトルの次元数をその比が一定となる条件の
下で同時に無限大とする高次元漸近理論の枠組みでは,一致性を持つか持たない
かは非心パラメータ行列の収束速度に依存する.残念ながら,現在提案されてい
る規準量の中には,どのような非心パラメータ行列の下でも一致性を持つものは
ない.そこで本研究では,次元数が無限大か有限かにかかわらず,どのような非
心パラメータ行列の下でも一致性を持つ新たな規準量を提案する.
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第6回
- 日時: 12月 22日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 三石 史人 氏 (東北大学大学院理学研究科)
- 題目: 3次元アレクサンドロフ空間の崩壊
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:「曲率が下に有界」という概念を備えた距離空間はアレクサンドロフ空間と呼ばれ、多様体の崩壊理論の観点から重要な対象です。本講演ではアレクサンドロフ空間の位相を調べる為に、アレクサンドロフ空間の崩壊理論を展開する事によって、崩壊する3次元アレクサンドロフ空間の位相がどの様に決定されるか紹介します。本講演は、京都大学の山口孝男氏との共同研究に基づきます。論文は
AMSへのリンク
にありますが、ここで扱っていない場合の結果も最近得ていますので、合わせてお話しします。
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第5回
- 日時: 12月 15日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 橋本 真太郎 氏 (広島大学大学院理学研究科)
- 題目: 非正則推定とベイズ統計学
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:近年注目されてきているベイズ統計学は,多様な情報を推測に反映できるという利点を持ちながらも,計算の複雑さや事前分布の設定など多くの問題が存在する.
本講演では,頻度主義と呼ばれる通常の統計学との比較をしながら,ベイズ統計学の解説を行う.
特に,事前分布の選択というベイズ統計学の本質的問題について,自身の結果も交えて解説する.
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第4回
- 日時: 12月 1日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 逆井 卓也 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)
- 題目: シンプレクティック微分リー代数とモジュライ空間のコホモロジー
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:Kontsevich により, シンプレクティックベクトル空間が生成する自由可換代数, 自由リー代数,
自由結合代数のシンプレクティック微分のなすリー代数のホモロジーは, グラフホモロジーの理論を経由して,
計量付きグラフのモジュライ空間や点つきリーマン面のモジュライ空間のコホモロジーなどの位相的な解釈をも つことが示されている.
また, 自由リー代数の場合には曲面の写像類群の Johnson 準同型と呼ばれるものとも関連が深い. これらのシンプレクティック微分リー代数の構造は, 古典的によく知られたシンプレクティック群の表現論を用いて調べることができ, 部分的ではあるものの,
計算機による具体的計算も可能な研究対象である.
本講演では森田茂之氏, 鈴木正明氏 (明治大学) との共同研究で得られた,
それらの対象についてのいくつかの計算結果とその位相幾何学的応用について紹介したい.
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第3回
- 日時: 11月 24日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 盛田 健彦 氏 (大阪大学大学院理学研究科)
- 題目: Limit theorems for expanding fibred systems via analytic
perturbation of Perron-Frobenius operators
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:独立同分布確率変数列のような強い混合性を持つ定常過程に関しては,大数の法則,中心極限定理,Poisson少数法則など基本的な極限定理が知られている.また,変換(力学系)が不変測度を有するならば,相空間(=初期値の空間)を標本空間とみなし,その時間発展を実数値関数を通して観測したものを定常過程として扱うことができる.
一方,自然な測度をもつ空間上の変換がその測度に関して非特異な場合には,絶対連続不変則とそれに関する力学系の漸近挙動を転送作用素(=Perron-Frobenius作用素)のスペクトル論的性質によって解析することができる.
本講演では転送作用素が擬コンパクトとなるような定数関数を含む Banach
代数で,本質的に有界な関数の空間に連続的に埋め込まれ,かつ,可積分関数の空間で稠密なものが存在する場合には,観測量としてその
Banach代数に属する関数をとれば,解析的摂動論を転送作用素にうまく適用できて,上述の基本的な極限定理を系統的に扱うことができることについて解説し,時間が許せばある種のfibred
systemに対してそれに付随したBanach代数を構成する話題についても触れたい.
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第2回
- 日時: 6月 30日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 谷口 雅治 氏 (岡山大学理学部)
- 題目: (N-1)次元空間におけるコンパクトな凸図形の与えるN次元進行波
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:本講演ではN次元空間全体で反応拡散方程式系を考える.ここでNは3以上の整数とし,
対象とする反応拡散方程式系は
(1) Nagumo方程式(unbalanced Allen--Cahn方程式)
(2) 競合的な反応項をもつ拡散方程式系
のいずれかとする.このとき,(N-1)次元空間において,なめらかな境界をもつ
コンパクトな狭義凸図形が任意に与えられたとき,対応するN次元進行波解が一つ
定まることを証明する.つぎにこれらの凸図形に対してある同値関係を導入する.
凸図形がこの同値関係をみたすこととそれぞれに対応するN次元進行波解が位相
のずれを除いて一致することが同値であることを示す.
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第1回
- 日時: 6月 2日(火) 13:00−14:00
- 場所: 広島大学理学部B棟7階B707教室
- 講師: 吉永 正彦 氏 (北海道大学大学院理学研究院)
- 題目: 超平面配置の特性多項式
- Tea Time: 14:00−
- 要旨:特性多項式は超平面配置の最も基本的な不変量である。
数え上げ組合せ論、トポロジー、などに関わる様々な問題が、
「特性多項式を求める」という立場から統一的に扱える
様子を紹介する。
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2014年度以前
Last Update: 2016.1.8
談話会委員 西森、大西、古宇田、奥田
大学院理学研究科数学専攻