代数閉体上の代数曲線の自己同型群について,今まで得られている結果を
まとめて紹介する.(ここで,代数曲線と呼んでいるのは,正確には,
既約な完備非特異代数曲線のことである.)
まず,考えている代数閉体 (=基礎体) の標数がゼロの場合には, 問題は基礎体が複素数体である場合に帰着される. 複素数体上の代数曲線とはリーマン面のことであり, リーマン面の自己同型群については古典的に多くの結果がある. この講演での興味の対象は,リーマン面の種数 が 2 以上である時には, 自己同型群の位数は 以下である」という Hurwitz の結果である. 講演ではこの結果について説明したあと,基礎体の標数が正の場合に, 自己同型群の位数の評価についていくつかの結果を紹介する. 具体的な形は講演のときに与えるが,自己同型群について
・一般的な評価( Stichtenoth の定理)
・曲線の - ランクとの関連
・可換部分群の位数の評価
などが主なテーマである.