アブストラクト:2重周期有理型関数に対して1つの周期平行4辺形を止めてその中
の零点の和と極の和を考える。このとき、両者の差は1つの周期になる。これは
Liouville の第4定理と呼ばれる。百年程前にHilbert は代数群 G が多項式環に
線形に作用するとき、不変式環が有限生成かという問題を提出したが、この定理と永
田の技法を用いて反例を構成できることを紹介する。時間が余れば、ルート系やワイ
ル群との関係についても触れたい。
(参考文献) 拙著「モジュライ理論 1」、岩波書店、1998年