を
局所コンパクト可分距離空間 X 上の m-対称なマル
コフ過程とする. ここで,
は
の生存時間,
m は台が X となる正のラドン測度とする.
と
をそれぞれ
の作る半群とリゾル
ベントとする. すなわち,
ptf(x)=Ex(f(Xt)),
.
そこで, 対称マルコフ過程
に対して次の4つの仮定を置く.
I. (既約性) ボレル集合 A が pt-不変, すなわち,
任意の
と t>0 に対して,
pt(IAf)(x)=IAptf(x) m-a.e.
が成り立つならば, A は m(A)=0 か
を満たす.
ここに,
は 有界ボレル関数の空間.
II. の推移確率 pt(x,dy) は m に関して絶対連続, pt(x,dy)=pt(x,y)m(dy).
III. . ここに, は無限遠点で零となる連続関数の空間.
IV. .
以上の仮定の下, Donsker-Varadhan 型の大偏差原理を用いて,
生存時間
に関する次の公式が示せる:
(1) |
ここに,
は
の生成するディリクレ形式と呼ばれるもの
である. いま,半群 ptf(x) の Lp(X;m) 空間上の
作用素としてのスペクトル半径を
で表わす:
ブラウン運動のあるクラスの時間変更過程に対しては, 仮定の I IV を満たすこと が示せ, その応用としてファインマンーカッツ汎関数の 可積分性について調べることができる.