談話会アブストラクト(10/13)



「楕円量子群とq-Virasoro代数」

        広島大学総合科学部
                 今野 均

1. 量子群とは何かという話しから始めて、それとYang-Baxter
方程式や2次元可解格子模型との関連を述べ、Yang-Baxter方程
式の楕円関数解に付随して楕円量子群ともいうべき代数構造
の存在が期待できることを示す。

2. 楕円量子群をquasi-Hopf代数として定式化し、これは従来の
"量子群 = Hopf 代数"という構図からはみ出す新しいタイプの
"量子群"であることを示す。

3. 応用としてFace模型と呼ばれる2次元可解格子模型の相関関数が
Face型の楕円量子群の表現に基づいて計算できること、また、それと
の関連でVirasoro代数のq-変形理論は(直接Virasoro代数の生成元の
q-変形を考えるよりむしろ)楕円量子群を通して自然に得られること
を示す。

この講演の2, 3の内容は次の文献に従う。

1) 今野,"An Elliptic Algebra $U_{q,p}(\widehat{sl_2})$ and the Fusion RSOS Model",
Comm.Math.Phys.195 (1998) 373-403.

2) 神保、今野、小竹、白石,"Quasi-Hopf Twistor for Elliptic Quantum Groups'',
q-alg/9712029, to appear in Transformation Groups.

3) 神保、今野、小竹、白石,''Elliptic Algebra $U_{q,p}(\widehat{sl_2})$:
Drinfeld' Currents and Vertex Operators ", q-alg/9802002, to appear in
Comm.Math.Phys.

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