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広島大学談話会 6月16日講演アブストラクト


3次元ハンドル体の写像類群について

廣瀬 進(佐賀大学理工学部)
日時: 6月16日 13:30〜14:30



種数 g の3次元ハンドル体とは,1 個の3次元球体に g 個の 1 ハンドル $(D^2 \times [0,1], D^2 \times \{0,1\})$ を接合して得られる向き付けられた 3次元多様体の事を言います. 以下では,略して Hg と書くことにします. Hg の写像類群(Hg 上の向きを保つ同相写像全体のなす群の, 恒等写像にイソトピックなもののなす正規部分群による 剰余群)は,3次元多様体の Heegaard 分解,リーマン面上の写像類群, 自由群上の自己同型写像等と関連した興味深い対象です.

この講演では,まず,閉曲面上の写像類群についての基本的な事柄と, Hg の写像類群の生成元について解説します.そのあと, Hg の写像類群の表示を求める方法について説明します. 群の表示を求める一つの方法としては,その群が非自明に作用する 単連結な空間を与え,その空間の問題となっている群による軌道空間の 「基本群」を計算するという方法がありますが, ここでは,Hg の写像類群の作用する単連結な空間を与えます. また,近年 Wajnryb によって,Hg の写像類群の 表示が与えらえれましたが,その時に用いられた空間についても 解説します.



 

Tohru Okuzono 平成12年3月14日