通常の講演時間はおよそ 1 時間半です。
本講演ではWythoff Nim の変種として1 回の着手で(1’) 片方の山からa (≥ 1) コ以上石を取る, (2’) 両方の山から1 コ以上かつ取る石の数の差がc(≥ 0) 以内になるように石を取る, のどちらかを許した(a, 0, c)-YamaNim を考え, そのP-position が記号代入系を用いたフラクタルを利用して記述できることを紹介する. これは通常のWythoff Nim 及びFraenkel によるr-Wythoff Nim(ここでは(1, 0, r−1)-YamaNim) の結果(1982) の自然な拡張になっている.
例えば(2, 0, 0)-YamaNim の場合, x ≤ y を満たす正規形のP-positionを列挙すると(0, 0), (0, 1), (2, 4), (2, 5), (3, 7), (3, 8), (6, 12), (6,13), (9, 17),(9, 18),· · · となるが, そのx 座標に現れる数字の差分をとった列は(2, 1, 3, 3, 1, 1, 3, 1, 1, 3, 3,· · · ) となり, これは(2) → (2, 1), (1) → (3), (3)→ (3, 1, 1) という代入によって生成される2 から始まる不動点である列と一致する.
この講演では, 最初の15 分は英語によるスライドを利用した発表を行い, 残りの時間でその詳細について日本語による板書を利用した解説を行う.
なお本講演は木村俊一氏, 山下貴央氏(広島大学) との共同研究に基づく.
本講演では,任意の3次元Gorenstein abelian商特異点に対し,射影的クレパントな藤木・岡のトーリック特異点解消が構成できることを説明する.
本発表では、 まず Triangular Nim の Wythoff バリエーションの正規形の必勝法について説明を⾏う。このゲームは、 Triangular Nim の着⼿に加え、 𝑖と𝑗の制限の下で、プレイヤーが両⽅の⼭から⽯を取ることが許される、例えば 𝑖個の⽯を⼀⽅の⼭から、𝑗個の⽯をもう⼀⽅の⼭から取ることができる。𝑖 = 𝑗 > 0 としたとき、このゲームの局⾯(𝑥, 𝑦) の良形は、 𝑥 ≤ 𝑦 として、(𝑥, 𝑦) ∈ {(0, 0), (0, 1), (1, 3), (3, 6), (6, 10), (10, 15), . . . } すなわち、連続した三⾓数である。⼀般化したとき、(つまり、𝑖, 𝑗 > 0かつ|𝑖 = 𝑗| ≤ 𝑐 のとき、) 必勝局⾯が連続した(c+3)⾓数で記述できることも分かった。 その後、逆形のルールについても𝑐 = 0と𝑐 ≥ 1で異なる記述が得られたので、それについても報告する。
その他、 Triangular Nim を⼀般化したゲーム((𝑎, 𝑏)- Triangular Nim)の Wythoff バリエーションについて⾯⽩い結果が得られたので、それについても報告する。
Sは2以上の自然数の空でない部分集合とする. Left と Right と呼ばれる2人のプレイヤーが戦う次のようなゲームを考える: 1つの山に石がいくつかあり, Left と Right は交互に s ∈ S 個の石を取る. 最後に両者とも石が取れなくなったとき, 石が偶数個残っていれば Left の勝ち, 石が奇数個残っていれば Right の勝ちとする.
このゲームは奇数個残る・偶数個残るという2通りの終了局面によって勝利判定を行っているため, 一見どちらのプレイヤーも同じ程度に勝てると思われる. しかし, 様々な集合 S について調べてみると, なぜか Left のほうが圧倒的に勝ちやすいことが分かった. 本公演ではそのような現象が起こる理由を説明する定理を紹介する. 例えば, 石が n 個の局面で Right が必勝戦略を持てば, 石が n±1 個の局面では Left が必勝戦略を持つことを証明する. 一方多くの S で, ある個数以上では常に Left が必勝戦略を持つという状況が起こる.
本講演の前半では、このように定義したゲーム(LinkStones)を長方形の盤面で行うときの勝敗の考察について荻沼が述べ、後半ではこのゲームを一般のグラフ上で行うときの基本的な性質といくつかの具体例について篠田が述べる。
本講演では, Xとして, 楕円曲線, Dwork族などのCalabi-Yau超曲面(族)を考えた場合 $X$の自己同型群の情報を援用して, 固定体$K_{\rho_{X,i,p}}$の数論的情報を 如何に抽出することが可能であるか説明する.
本研究は部分的に独立して, Alex Ghitza (メルボルン大), 都築暢夫氏(東北大) との共同研究に基づくこと付記する.
The content of this talk is the fruit of a series of joint works with Marco Besier, Andreas Hochenegger, and Bert van Geemen.
This work is based on a joint work with Matt Satriano and Jason Bell, and recent work with Kaoru Sano.
In two joint works with G. Martin and G. Mezzedimi, we have now settled this question in all characteristics by studying particular configurations of genus one fibrations, and two invariants called maximal and minimal non-degeneracy. The proof involves so-called `triangle graphs' and the distinction between special and non-special 3- sequences of half-fibers.
In this talk, I will present the classification of Enriques surfaces of low non-degeneracy and explain how this classification solves this long- standing problem.
In this talk we classify K3 surfaces of zero entropy yet with infinite automorphism group, equivalently, which have a unique elliptic fibration whose Jacobian has infinite Mordell-Weil group.