後期
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平成29年3月6日(月)15:00--(※いつもと開催曜日が違います)
講演者: 小林 正典 氏(首都大学東京)
タイトル: Recent development of tropical curve theory
アブストラクト:トロピカル多様体は,位相空間としては多面体複体であり,
代数多様体の極限として得られる.区分的に線形な対象であるため取扱いが比較的容易であり,
また実次元のままでベズーの定理などの交点理論が成り立つため,
複素射影多様体における数え上げ問題等に有効に利用されてきた.
近年,トロピカル曲線に対するリーマン・ロッホの定理が確立され,
コンパクトリーマン面と類似の代数幾何的性質が追及されている.
本講演では特に種数の小さなトロピカル曲線に対する諸結果を紹介する.
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平成29年1月6日(金)15:00--
講演者: 星 裕一郎 氏(京都大学数理解析研究所)
タイトル: 巾零許容固有束の超特異因子について
アブストラクト:巾零許容固有束とは、正標数の双曲的な代数曲線上の適当な性質を
満たす接続付き射影直線束のことであり、古典的な p 進 Teichmuller 理論
における重要な対象である。本講演では、まず最初に、p 進 Teichmuller 理論の
関連する部分の簡単な復習を行う。その後に、巾零許容固有束、及び、その特別な場合
である巾零通常固有束の超特異因子(つまり、Hasse 不変量が定める因子)に
対する講演者の研究を説明する。より具体的には、曲線の種数や無限遠因子の次数や
基礎体の標数が小さい場合の巾零許容固有束の超特異因子の明示的な表示、
Cartier 作用素を通じた標数 3 の射影的双曲的曲線の上の巾零許容固有束の
超特異因子の特徴付け、そして、p 進 Teichmuller 理論の基本問題への上記 2 つの
結果の応用について、説明を行う。
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平成28年12月16日(金)15:00--
講演者: 南出 新 氏(京都大学数理解析研究所)
タイトル: 配置空間群の数値的不変量と一般化ファイバー部分群の群論性について
アブストラクト:kを標数0の代数閉体とします.
また, Xを種数g, カスプの数rのk上の双曲的曲線とし, そのn次配置空間
(即ち, Xのn個のコピーのk上のファイバー積から, 様々な対角を除いて
得られる多様体)をX_nとします.
講演の前半では, X_nのエタール基本群からnが, さらに, n>1の場合, 組(g,r)が
群論的に復元出来る, という結果を紹介したいと思います.
講演の後半では, (g,r)=(0,3)の場合に限定して議論を行います.
この場合, X_nのエタール基本群から, その「一般化ファイバー部分群」(簡単に
言ってしまいますと, 様々な'射影' X_n → X_m から生じる部分群のことです.)
たちが群論的に復元出来る, という結果を紹介したいと思います.
この結果の応用として, 例えば, グロタンディーク・タイヒミューラー群の
簡単な別定義を得ることが出来ます.
本講演の内容は, 星裕一郎氏, 望月新一氏との共同研究に基づきます.
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平成28年10月21日(金)16:00-- (※いつもと開始時間が違います)
講演者: Robert Laterveer 氏(IRMA, Strasbourg)
タイトル: About a conjecture of Voisin
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平成28年10月14日(金)15:00--
講演者: Simon Brandhorst 氏(Insitut fuer Algebraische Geometrie, Leibniz Universitaet Hannover)
タイトル: Minimal Salem numbers on supersingular K3 surfaces
アブストラクト: The entropy of a surface automorphism is either zero or the logarithm
of a Salem number, that is an algebraic integer a>1 which is conjugate to 1/a and
all whose other conjugates lie on the unit circle. In the case of a complex K3 surface
McMullen gave a strategy to decide whether a given Salem number arises in this way.
It combines methods from linear programming, number fields, lattice theory and
the Torelli theorems. In this talk we extend these methods to automorphisms of
supersingular K3 surfaces using the crystalline Torelli theorems and apply them
in the case of characteristic 5.
This is joint work with Víctor González Alonso.
前期
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平成28年07月15日(金)15:00--
講演者: 神本 晋吾 氏(広島大学)
場所: 広島大学理学部 B707 (※いつもと場所が違います)
タイトル:Exact asymptotics and resurgent analysis
アブストラクト:1886年, Poincare により線形常微分方程式の不確定特異点における形式解に対し,
その近傍における解析解の漸近展開という解釈が与えられた.
その後, 不確定特異点における漸近解析は福原, Turrittin, Birkhoff, Malgrange, 真島, 渋谷等
多くの数学者達の貢献により発展してきた.
本講演では1980年代の Borel 総和法に基礎を置く Ramis による Exact asymptotics,
及び, Ecalle による Resurgent analysis に関して概観し,
最近得られた非線形微差分方程式の形式解の Resurgence に関する結果の紹介を行う.
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平成28年07月01日(金)15:00--
講演者: 山内卓也氏(東北大学理学部)
タイトル: 楕円曲線の等分点の成す体の類数
アブストラクト: Eを固定した素数pでmultiplicative reduction をもつQ上
定義された楕円曲線とする。各自然数nに対して, Knを\Q にE[pn](\overline{\Q})の点を添加して
得られる体 とする。このとき, Kn の類数のp冪部分の下から評価をMordell-Weil 群E(\Q)の
階数の言葉で与えることができたのでそれについての概説を行う。これは西来路氏との共同研究である。
今年の3月の末に少し進展があったのでそれについても簡単に説明したい。
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平成28年06月10日(金)15:00--
講演者: Álvaro Nolla de Celis (Universidad Rey Juan Carlos)
タイトル: Group actions on dimer models
アブストラクト: In this talk I will discuss dimer models (finite bipartite tilings of an oriented 2-torus)
which are symmetric under the action of a finite group G. In particular,
I will show how given a symmetric lattice polygon P one can construct a dimer model
with the same symmetry as P. Since the path algebra of the quiver associated to
the dimer model is a non-commutative crepant resolution of the (singular) toric
variety X associated to P, this equivariant construction produce examples of
non-commutative crepant resolutions of non-toric non-quotient Gorenstein
singularities X/G in dimension3. This is a joint work with A. Ishii and K. Ueda.
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平成28年05月27日(金)15:00--
講演者:宮谷 和尭 氏(広島大学)
タイトル:p-進超幾何微分方程式と convolution II
アブストラクト::前回の続きとして,超幾何D-加群を導入し,その性質(特に,フロベニウス構造を持つということ)に関する
主定理とその証明の概略を説明する.
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平成28年05月20日(金)15:00--
講演者:飯島 優 氏 (広島大学)
タイトル: Some group-theoretic properties of the image of the universal pro-l outer monodromy representation
of the moduli stack of once-punctured elliptic curves
アブストラクト: I talk about the almost slimness and the indecomposability of the image of the universal
pro-l outer monodromy representation of the moduli stack of once-punctured elliptic curves.
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平成28年04月22日(金)15:00--
講演者:宮谷 和尭 氏(広島大学)
タイトル:p-進超幾何微分方程式と convolution
アブストラクト:mFn 型の p-進超幾何 isocrystal が,過収束 F-isocrystal を与えることを証明する.
ポイントのひとつは,p-進超幾何微分方程式の定める数論的 D-加群と p-進超幾何 isocrystal との比較である.
- 平成28年04月15日(金)15:00--
講演者: Zhang Mingwei 氏 (中国科学技術大学)
タイトル: A boundedness result on the rational equivalences of zero cycles of algebraic varieties with trivial Chow groups
アブストラクト: Let $X$ be a complex smooth projective variety with trivial $\rm{CH}_0$.
That is, for any two points $p,q\in X$, there exists a finite number of pairs $(C_i,\phi_i)$ ,
where $\phi_i$ is a nonzero rational function on $C_i$, such that $p-q=\sum_i \rm{div}(\phi_i)$.
Certainly, rational equivalences are generally not unique. However, we can show that
for any two points, there exists a rational equivalence in which the number and the arithmetic genera of $C_i$
and degree of $\phi_i$ are uniformly bounded. This is a joint work with Shun-ichi Kimura and Mao Sheng.