2014年度
後期
- 平成27年03月06日(金)15:00--
講演者: Yang Yu 氏 (京都大学数理解析研究所)
タイトル: 曲線の被覆と基本群のspecialization
アブストラクト: f:Y----->Xをstrictly henselian完備離散付値環R上のstable曲線の射とする。
また、generic fiberの射はGalois etale被覆と仮定し、そのGalois群をGと書く。このとき、
一般にはfは有限射に限らない、特にadmissible被覆にならない。この現象があるので、
次の問題を考えることができる。
「任意のXに対して、そういう有限ではないYがいつでも存在するか?もし有限になる場合は
fがadmissible被覆になるか?」
A. Tamagawaは、混標数で剰余体が有限体の代数拡大の場合に、Xのspecial fiberの
与えられた閉点xに対し、(必要ならRを有限次拡大と取り換えることで)x上でvertical fiberを
もつ様なYが存在することを証明した。一般の剰余体の場合は、Tamagawaの証明をlog幾何で書き直し、
そしてTamagawa-Saidiの定理を使うと少し拡張することができる。
また、等(正)標数の場合にspecial fiber が既約ならvertical fiberをもつYが存在することを示した。
更に、Gが可解群を仮定すると、fがadmissibleとfが有限射は
同値であることを証明できる。
- 平成27年02月20日(金)15:00--
講演者: 内海和樹 氏 (広島大学)
タイトル: とある楕円曲線の有理点について
アブストラクト: 複素数体上の特異K3曲面には $II^*$ 型特異ファイバーを2つ
持つ楕円ファイブレーションが入ることが知られている。このとき、この楕円
ファイブレーションの Mordell-Weil格子の階数は0, 1, 2のいずれかであり、一
般には2である。
本講演では超越格子が $<6> \oplus <6>$ に同型な特異K3曲面に対して、この楕
円ファイブレーションのMordell-Weil格子の生成元を具体的なWeierstrass方程
式の有理点として与える方法を述べる。
- 平成27年02月06日(金)15:00-- 修論発表会予行
- 平成27年01月30日(金)大学院2次募集のためお休み
- 平成27年01月16日(金)センター試験前日のためお休み
- 平成27年01月14日(水)15:00-- (※いつもと場所・曜日が違います)
場所: 広島大学理学部 C816 教室
講演者: 上原北斗 氏 (首都大学東京)
タイトル: Exceptional sheaves on the Hirzebruch surface with a -2-curve
Abstract:The structures of exceptional objects on Del Pezzo surfaces are
completely determined by Kuleshov and Orlov.
On the other hand, the structure of exceptional objects on
weak Del Pezzo surfaces are much more complicated by the existence of -2-curves.
We study the structure of exceptional sheaves on the
Hirzebruch surface with a -2-curve, the easiest example of weak Del Pezzo surfaces.
My talk is based on a joint work with Shinnosuke Okawa.
- 平成26年12月05日(金)15:00-- (代数的整数論とその周辺)
講演者: Michel van Garrel 氏(KIAS)
タイトル: Relative BPS state counts of del Pezzo surfaces
アブストラクト: N. Takahashi investigated counts of rational curves
in the projective plane with maximal incidence conditions along an elliptic curve,
and the relationship of these counts to log mirror symmetry.
In this talk, I discuss a virtual analogue of the above curve counts
and reformulate Takahashi's work using these virtual invariants.
- 平成26年11月28日(金)15:00--
講演者: 大内元気 氏 (IPMU)
タイトル: Lagrangian embeddings of cubic fourfolds containing a plane
アブストラクト: Beauville and Donagi proved that Fano varieties of lines on cubic fourfolds
are irreducible holomorphic symplectic fourfolds deformation equivalent to Hilbert schemes of two points on K3 surfaces.
Recently, for a cubic fourfold not containing a plane, Lehn et al constructed an irreducible holomorphic symplectic
eightfold containing the cubic fourfold as a Lagrangian submanifold. Lehn's example is constructed by the moduli space
of twisted cubic curves on the cubic fourfold. For a cubic fourfold containing a plane, we constructed an irreducible
holomorphic symplectic eightfold containing the cubic fourfold as a Lagrangian submanifold, which is deformation equivalent
to Hilbert schemes of four points on K3 surfaces. In our construction, we use Kuznetsov's fully faithful functor from
the derived category of the twisted K3 surface to the derived category of cubic fourfolds and a moduli space of Bridgeland
stable objects in the derived category of the twisted K3 surface. In this talk, I will introduce Kuznetsov's work on
derived categories of cubic fourfolds and explain the construction of Lagrangian embeddings of cubic fourfolds.
- 平成26年11月21日(金)AO 入試のためお休み
- 平成26年11月14日(金)K3, Enriques Surfaces and Related Topics のためお休み
- 平成26年11月07日(金)15:00--
講演者:土基善文 氏 (高知大学)
タイトル:非可換ケーラー多様体としての非可換射影多様体
アブストラクト:シンプレクティック多様体は非可換な多様体の``影''「古典的対応物」
と見られることはよく知られている。
他方で、複素数体上の射影多様体はケーラー構造を持ち、とくに(実多様体と見た場合)
シンプレクティック多様体でもある。2つのことの当然の帰結として、
複素数体上の射影多様体を実多様体として眺めたものは、
非可換な多様体の``影''であろうと予想される。
本講演はそのような予想を肯定的に解決しようというものである。
まず第一に、
``非可換射影空間'' (複素射影空間を実多様体と見たものを影として持つような
非可換多様体)を定義する。これはシンプレクティック商とBRST商の
類似性を用いるもので、本質的にはよく知られたものである。
つぎに、任意の複素射影多様体に対して、それを実多様体と見たものを
影としてもつような非可換た様態を定義する。
定義自体はアッサリと行われるが、
その解析はこれからの課題であり、
そのうちのいくつかの問題について紹介したい。
なお、本講演の内容は
http://www.math.kochi-u.ac.jp/docky/
から辿れるようにしておくつもりである。
- 平成26年10月29日(水)15:00-- (※いつもと曜日が違います.)
講演者: 真瀬真樹子 氏 (首都大学東京)
タイトル:Batyrev and Dolgachev mirrors for families of K3 surfaces
and bimodular singularities
アブストラクト:The appeared as compactification of some bimodular
singularities, which are classified by Arnold, is a toric K3 hypersurface.
Ebeling-Ploog points out a duality of Landau-Ginzberg type among their
defining polynomials, which we call EP duality.
For each pair of EP duality, we find a pair of polytopes that are
polar-dual to each other in a joint work with K.Ueda.
We discuss whether or not such a pair (F, F') of families F, F' of K3
surfaces attains a Dolgachev mirror duality in the sense that a general
S in F and S' in F' are Dolgachev mirror if the transcendental lattice
of S is isometric to a lattice that are the direct sum of the hyperbolic
lattice of rank two and the Picard lattice of S'.
- 平成26年10月24日(金)代数幾何学城崎シンポジウムのためお休み
- 平成26年10月17日(金)15:00--
講演者:島田伊知朗 氏 (広島大学)
タイトル:On the topology of projective subspaces in complex Fermat varieties (joint work with Alex Degtyarev)
アブストラクト:
Let X be the complex Fermat variety of dimension n = 2d and
degree m > 2. We investigate the submodule of the middle homology group of
X with integer coefficients generated by the classes of standard d-dimensional
subspaces contained in X, and give a combinatorial
criterion for the primitivity of this submodule
- 平成26年10月10日(金)15:00--
講演者:平之内俊郎 氏 (広島大学)
タイトル:Class field theory for curves over local fields
アブストラクト:In this talk,
first we recall the class field theory for some arithmetic
fields such as (higher dimensional) local fields, the function fields
of certain varieties over finite fields.
Then we introduce an anoalogue
of such theory for an open (=non proper) curve over a local field.
- 平成26年09月05日(金)15:00--
講演者:Richard Hain 氏(Duke University)
タイトル: Universal Mixed Elliptic Motives
アブストラクト:This talk will be an introduction to the theory of
"universal mixed elliptic motives" that the speaker developed with
Makoto Matsumoto. Recent results of Brown and the speaker that relate
universal mixed elliptic motives with multiple zeta values and
relations between certain derivations of a free Lie algebra of rank 2
(the Pollack relations) will be surveyed.
前期
- 平成26年07月18日(金)
仙台広島整数論集会 のためお休み
- 平成26年07月11日(金)編入学試験のためお休み (Workshop on algebraic varieties and automorphism groups)
- 平成26年07月04日(金)15:00--
講演者:藤井忍 氏(大島商船高専)
タイトル: 球面内の等径超曲面と運動量写像について --- Grassmann多様体の場合
アブストラクト:球面内の等径超曲面とは, 球面上の等径関数のレベル集合とし
て定義される超曲面のことである.
球面上の等径関数はCartan-M\"{u}nzner多項式と呼ばれる斉次多項式と対応し,
その斉次次数は等径超曲面の異なる主曲率の個数に一致する事が知られている.
我々は, 4次Cartan-M\"{u}nzner多項式は, 或るHamilton作用の運動量写像の重
み付きノルム2乗として実現できることを期待している.
本講演では, 階数2のGrassmann多様体の等方表現から得られるCartan-M\"
{u}nzner多項式に関して, 我々の期待が正しいことをお話ししたい.
- 平成26年06月27日(金)15:00--
講演者:星裕一郎 氏(京都大学数理解析研究所)
タイトル: 双曲曲線の穏やかな点
アブストラクト:数体上の双曲曲線の穏やかな点の研究は松本眞氏によって始められ,
そこでは,例えば, 数体上の多くの双曲曲線が穏やかな有理点を持たないという事実が証明されました.
一方, Galois セクションの理論の観点から, この穏やかな点という概念は, アーベル多様体の捻れ点
という概念の双曲曲線に対する類似と考えることができるため, この概念を用いて, アーベル多様体の
捻れ点に関する事実の双曲曲線類似を考えることができます. この講演では, アーベル多様体の捻れ点
に関する以下の 2 つのトピックの双曲曲線類似について議論したいと思います.
(1) アーベル多様体に付随する l 進表現の核に対応する拡大が, そのアーベル多様体の位数 l 冪
捻れ点の座標で生成されるという事実
(2) アーベル多様体の捻れ有理点の有限性.
- 平成26年06月20日(金)15:00--
講演者:Dohoon Choi 氏 (Korea Aerospace University)
タイトル: Quantum modular forms and Mock modular forms
アブストラクト:In his last letter to Hardy, Ramanujan described 'mock theta functions'. In
his 2001 PhD thesis, Zwegers showed that the mock theta functions are the holomorphic part of a
harmonic Maass form. On the other hand, motivated by a number of examples from quantum
invariants of 3-manifolds, Vassiliev invariants of knots, and period functions of Maass wave forms,
Zagier defined a weight quantum modular form as a complex-valued function on the set of rational
numbers. In this talk, I will talk about connections between these two modular objects. More precisely,
there is a linear injective map from the space of mock modular forms to quantum modular forms
and that this linear map gives expressions for "Ramanujan's radial limits" as L-values.
- 平成26年06月13日(金)15:00--
講演者:島田伊知朗 氏 (広島大学)
タイトル: Lattice theory and K3 surfaces
アブストラクト:格子理論と計算機を用いたK3 surfacesの研究について,
いくつかの応用を述べる.
- 平成26年06月06日(金)15:00--
講演者:高橋宣能 氏 (広島大学)
タイトル: カンドル多様体と彩色の空間
アブストラクト:カンドルとは、結び目理論等に現れる一種の代数系である。
代数多様体の構造を持つカンドルをここではカンドル多様体と呼ぶことにする。
今回のお話では、カンドルとカンドル多様体の定義や簡単な例・性質を述べた後
カンドル多様体についてのいくつかの問題を提示し、
特にカンドル多様体による結び目や絡み目の彩色の空間について計算例を与える。
- 平成26年05月30日(金)15:00--
講演者:沖吉真実 氏(広島大学)
タイトル:箱玉系の母関数
アブストラクト:箱玉系は無限の一列に並べた箱に玉をいれて、規則に従い動かしていくゲームのような系であり、
薩摩・高橋によって定義された。本講演では箱玉系の母関数を定義し、古典的な箱玉系(玉の個数有限、持ち玉制限なし)
の場合の薩摩・高橋の結果が、母関数の有理性として解釈できることを示す。さらに、玉の個数を無限個にしたり、
持ち玉制限をつけたりした場合の母関数の有理性について調べる。玉の初期配置が準周期的であれば、
持ち玉制限のあるなしにかかわらず母関数が有理的になるだろう、という作業仮説をたて、その予想を特別な場合に証明する。
- 平成26年05月23日(金)15:00--
講演者:上原崇人 氏(佐賀大学)
タイトル: 尖点反標準曲線を保つ自己同型写像について
アブストラクト:本講演では, 尖点反標準曲線を保つ有理曲面上の自己同型写像について考察し,
軌道データの概念を用いた自己同型写像の構成方法について解説する. 具体的には, 軌道データがある条件をみたす場合,
軌道データを実現する自己同型写像が存在することを示す. この結果を応用して,
有理曲面上の自己同型写像によるエントロピー値全体の集合をワイル群の作用を用いて記述する.
- 平成26年05月16日(金)15:00--
講演者:新甫洋史 氏(九州大学)
タイトル: Idelic class field theory for 3-manifolds
アブストラクト:数論的位相幾何学とは、結び目と素数、3次元多様体と代数体の整数環の
類似に基づき、数論と幾何学において互いに問題を提起しあい、相互啓発的に発展させていく
分野である。本講演では、数論的位相幾何学の精神に基づき、3次元多様体におけるイデール群、
イデール類群を導入し、局所類体論、大域類体論の幾何学的な類似を構成する。
- 平成26年05月09日(金)15:00--
講演者:石井亮 氏(広島大学)
タイトル:Special McKay correspondence and exceptional collections
アブストラクト:SL(2,C) の有限部分群 G による商特異点 X に対し,その最小特異点解消 Y における既約例外曲線
の配置を見ると Dynkin 図形が現れます.一方で,G の表現論だけを使っても同じ Dynkin 図形が得られることが
McKay により発見され,両者の比較により得られる Y の既約例外曲線と G の非自明既約表現の間の対応は McKay
対応と呼ばれています.より一般に,G が GL(2,C) の (small な) 有限部分群である時は,G の非自明既約表現の方
が Y の既約例外曲線よりもたくさんありますが,Wunram と Riemenschneider により,G の "special" な表現という
ものが定義されていて,G の special な 非自明既約表現と,Y の既約例外曲線との対応が,special McKay 対応と
呼ばれています.
もともとの McKay 対応は,Y 上の連接層の導来圏と,C^2 上の G-同変な連接層の導来圏との間の三角圏の圏同値
として捉えることができます(Kapranov-Vasserot). 一方で,special McKay 対応の方は,圏同値ではなく,
一方から他方への充満忠実な埋め込みとして実現されます.そこで,2つの三角圏の「差」にあたる部分に注目し,
そこが exceptional collection で生成される,ということを植田一石さんとの共同研究で示しました.
今回はその話をしたいと思います.
- 平成26年05月02日(金)振替調整日(火曜日の時間割)のためお休み
- 平成26年04月25日(金)15:00--
講演者:田端亮 氏(広島大学)
タイトル:無限次行列の Immanant
アブストラクト:行列の immanant とは, 行列式やパーマネントを一般化する関数で
あり, ヤング図形でパラメータ付けすることができる. 半正値エルミート行列の
immanant の大小関係は応用上重要な問題であり, Schur の定理 (行列式が最小),
Lieb のpermanental dominance 予想 (パーマネントが最大) の精密化が講演者の
興味の対象である.今回は n → ∞ としたときの結果及び予想を紹介する.
特に, ほぼ全てのimmanant に対し,対角成分が n - 1, その他が 1 の n × n 行列が
determinant-permanent 数直線上の最大値を与えることが, 数値実験で観察できるが,
その行列のimmanant の n → ∞ としたときの挙動を報告する.
先日の岡山-広島代数学シンポジウムでは触れられなかった内容もお話したい.
- 平成26年04月18日(金)15:00--
講演者:平之内俊郎 氏(広島大学)
タイトル: Milnor-Bloch-加藤予想の楕円曲線類似
アブストラクト:
楕円曲線に付随 する Milnor 型 K 群(染川 K 群)を用いたMilnor-Bloch-加藤予想の楕円曲線類似を考えます.
局所体上の楕円曲線の場合(つまり古典的な Tate の定理の楕円曲線版)について分かっていることを紹介します.
- 平成26年04月11日(金)15:00--
講演者:島田伊知朗 氏(広島大学)
タイトル: The graphs of Hoffman-Singleton, Higman-Sims, McLaughlin, and the Fermat curve of degree 6 in characteristic 5
アブストラクト:
3つの重要な強正則グラフ(Hoffman-Singleton, Higman-Sims, McLaughlin)を
標数5における次数6のFermat 曲線の幾何学から構成する.