(第9回)
日 時 : 平成 24 年2 月 3 日 (金) 15:00 --
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 那須弘和 氏(東海大学)
タイトル : 3次元単線織多様体上の曲線の変形障害について
アブストラクト:Mumfordは3次元射影空間内の非特異曲線のHilbertスキームが
生成的に被約でない(generically non-reducedな)既約成分を持つことを示した.
向井氏との共同研究ではこの非被約既約成分を一般化, もしくは簡易化すること
により, 多くの単線織3次元射影多様体に対し, その上の非特異曲線の
Hilbertスキームが生成的に被約でない既約成分を持つことを示した.
また研究の中で, 3次元多様体上の曲線に対し, 曲線の1位無限小変形が
障害を受ける為の十分条件が得られた. 本講演ではこれらの結果について紹介
すると共に, 4次元以上の多様体上の曲線の被障害変形の例についても
紹介したい.
(第8回)
日 時 : 平成 24 年1 月 27 日 (金) 15:00 --
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 鍬田政人 氏 (中央大学)
タイトル:K3楕円曲面のMordell-Weil群の生成元について
アブストラクト:一般にK3楕円曲面が具体的に与えられたと
き、そのMordell-Weil群の生成元を決定することは容易ではな
い。例えば y^2 = x^3 + 33 t^4x - 8t^12 - 1 で定義される
K3楕円曲面のMordell-Weil群の階数は18であることは十数年前
から知られていたが、生成元はおろか18の独立な元すら見つ
かっていなかった。この楕円曲面について、最近18の独立な元
でおそらく生成元であろうと思われるものを見つけることがで
きたのでそれを報告したい。まず、K3楕円曲面のMordell-Weil
群とその決定に関する一般論の概説からはじめ、上の楕円曲面
の特徴とMordell-Weil群を求める際の問題点について述べる。
(第7回)
日 時 : 平成 23 年12 月 16 日 (金) 15:00 --
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 山崎 隆雄 氏 (東北大学)
演 題 : p-進佐藤理論と数論幾何
(第6回) (※ 2 講演あります. 曜日・時間が普段と異なるのでご注意ください.)
日 時 : 平成 23 年11 月 21 日 (月) 13:00 -- 16:30
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : Timothy Logvinenko 氏 (the University of Warwick)
講 演1 : 13:00 -- 14:30
演 題1 : Derived Reid's recipe for threefold singularities
アブトラクト1 :
The classical McKay correspondence matches the irreducible
representations of finite G \subset SL_2(C) with
the irreducible exceptional curves on the minimal resolution
Y of C^2/G. This correspondence was realised as a natural
K-theory isomorphism by Gonzales-Sprinberg and Verdier, and
then generalised to the famous derived category equivalence
by Bridgeland, King and Reid (BKR), which holds for all
finite subgroups G of SL_3(C), as well as SL_2(C).
I explain how we can extract from BKR equivalence
a more geometrical correspondence which we call "derived
Reid's recipe": to every representation of G it assigns
a subvariety of the exceptional set of Y. In dimension 2
this gives precisely the classical McKay correspondence.
In dimension 3, this gives a new, previously unknown
correspondence. For an abelian G we prove it to be governed
completely by an old toric geometry calculation known as
"Reid's recipe".
講 演2 : 15:00 -- 16:30
演 題2 : Relative spherical objects
"Seidel and Thomas introduced some years ago a notion
of a spherical object in the derived category D(X) of
a smooth projective variety X. Such objects induce,
in a simple way, auto-equivalences of D(X) called
'spherical twists'. In a sense, they are mirror-symmetric
analogues of Lagrangian spheres on a symplectic manifold and
the induced auto-equivalences mirror the Dehn twists
associated with the latter.
We generalise this notion to the relative context by
explaining what does it mean for an object of D(Z x X)
to be spherical _over Z_ for any two separated schemes
Z and X of finite type. Such objects induce naturally two
auto-equivalences: one of D(X), called "the twist", and
the other of D(Z) called "the co-twist". For objects
of D(Z x X) which are orthogonal over Z we give a simple
cohomological criterion for being spherical over Z which
resembles the original definition of Seidel and Thomas.
This is a joint work with Rina Anno (UMass/Amherst).
(第5回)
日 時 : 平成 23 年 6 月 3 日 (金) 15:00 -- 16:30 ごろ
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 川添 充 氏(大阪府立大学)
演 題 : 有限体上の代数曲線とペアリング暗号
アブストラクト :
1999年-2001年にかけて日米欧の三カ所で相次いでヴェイユペアリングを
応用した新しい暗号方式(ペアリング暗号)が提案され、その後の十年間で
精力的に研究が進められてきた。ペアリング暗号では、主に楕円曲線や
超楕円曲線のヤコビ多様体上のヴェイユペアリングが使われるが、暗号の
構成に用いる楕円曲線や超楕円曲線の満たすべき条件は、楕円曲線暗号や
超楕円曲線暗号を構成する際の条件よりも複雑になる。
本講演では、ペアリング暗号の仕組みについての概説から始め、
とくに、ペアリング暗号の構成に必要な条件を満たす有限体上の楕円曲線
や超楕円曲線を効率よく生成する方法について、この十年間の進展状況を紹介する。
(第4回)
日 時 : 平成 23 年 5 月 20 日 (金) 15:00 -- 16:30 ごろ
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 木村 俊一 氏(広島大学)
演 題 : Diophantine Frobenius Problem
(第3回)
日 時 : 平成 23 年 5 月 13 日 (金) 15:00 -- 16:30 ごろ
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 平之内 俊郎 氏(広島大学)
演 題 : ∞-categories for the working mathematician
アブストラクト:Jacob Lurie は彼の D 論の一部である
``Higher Topos Theory'' (925ページ) に於いて Joyal の ∞圏(=quasi-category)
の理論をより徹底的に拡充し SGA4 の Grothendieck トポス理論を∞圏に一般化した。
Grothendieck が位相空間ではなくトポスを用いて圏論を基礎にして代数幾何を始めたように、
∞圏を用いた所謂「導来代数幾何」の発展が見込まれている。
今回は特に「∞圏とは何か」に焦点を絞って解説する。
(第2回)
日 時 : 平成 23 年 4 月 22 日 (金) 16:30 -- 18:00 ごろ
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 市野 篤史 氏(京都大学理学部)
演 題 : 表現論と数論的不変量
アブストラクト:局所ラングランズ予想は, 局所体上の簡約代数群の表現論と
数論的対象を結びつける. この予想を基にして, 表現論的不変量がどのように
数論的不変量と結びつくかを調べる事は興味深い.
この事を形式次数の場合に解説する.
(第1回)
日 時 : 平成 23 年 4 月 22 日 (金) 14:45 -- 16:15 ごろ
場 所 : 広島大学理学部 B701 号室
講演者 : 山田 紀美子 氏(岡山理科大学理学部応用数学科)
演 題 : 曲面上の安定ベクトル束のモジュライの双有理的性質
アブストラクト:複素射影曲面上の安定ベクトル束のモジュライスキームMが
双有理的にどういう性質を持つか、という問題はまだ必ずしもよく分かっていません。
講演では、高次元多様体であるモジュライスキームMについて、
極小モデルプログラムに類似した現象が、自然に観察できることを説明します。
この観察を使ってMを理解するために、今後知りたい問題にも触れます。