平成27年度 広島大学公開講座
「数学の基礎と展望」-こんなところにも数学が-
 平成27年8月8日 (土)
 広島大学理学部E棟1階 E102 講義室

「ドレミの数理」 小方 厚 氏
「1+1=0の数学で精密なデタラメさを作る」 松本 眞 氏
「タイルで世界を埋め尽くす」 阿賀岡 芳夫 氏

1. 趣旨

現在、私たちが学校で学んでいる算数・数学は四千年以上の年月を超えて受け継がれてきました。特にこの四百年の間の進展はめざましいものがあり、私たちの興味に応じてかなり深い内容についても学ぶことができる環境が整っています。大学では今、この流れの中で数学に魅せられた人々が日々数学を学び、研究しています。なぜ、数学を面白いと感じるのでしょうか。それは人それぞれです。各先生方のお話を通じて、数学に触れ、全身で数学を感じて下さい。そして数学の面白さを改めて発見してみましょう。そのような機会としていただこうと思いこの公開講座を企画致しました。

2. 受講対象者

高校生 (学年不問) 及び数学に関心のある方

3. 受講料

無料

4. 実施場所

広島大学理学部E棟1階 E102講義室 (東広島市鏡山1-3-1) (交通案内と宿泊の案内)



5. スケジュール

8 月 8 日 (土)
9:15 ―     受付
10:00 ― 10:10 開講式
10:10 ― 11:40 「ドレミの数理」小方 厚 氏
11:40 ― 13:00 昼休み,特別懇談昼食会
13:00 ― 14:30 「1+1=0の数学で精密なデタラメさを作る」松本 眞 氏
15:00 ― 16:30 「タイルで世界を埋め尽くす」阿賀岡 芳夫 氏
16:30 ― 16:40 修了式

6. 講師・講義内容の紹介

「ドレミの数理」

小方 厚 氏
時間の流れに従って音の高さを変えて楽しむのが音楽です。音の高さは空気の振動数ですが、音楽はこの振動数という「数」にいろいろなルールを課しています。例えば連続した音の中から特定の音高を選び出して。ドレミ… と並べますが、これらの周波数が作る数列はどうなっているか...というような問題を、オーディオ・ビデオとともに考えます。

♦ 講師自己紹介
小方 厚(おがた あつし)
高エネルギー加速器研究機構名誉教授
最近はもっぱらジャズなどで遊んでいますが,学生時代は放射線化学. その後の対象は核融合と加速器.具体的に言えば電気・電子回路,計算機などを使う実験物理が専門です. 「物理実験法」「レーザーとプラズマと粒子加速」などという本も書きました.

「1+1=0の数学で精密なデタラメさを作る」

松本 眞 氏
サイコロは、でたらめな数を次々につくる装置です。擬似乱数は、コンピュータのなかででたらめっぽく見える数を次々につくる方法です。1997年、僕と当時大学院生の西村拓士氏は、周期が2の19937乗引く1となり、623次元空間に均等に分布する擬似乱数メルセンヌツイスターを作りました。ポケモンゲームから核物理シミュレーションまで、広く用いられています。その原理である、1+1=0の数学とのつながりを深く軽く説明します。

♦ 講師自己紹介
松本 眞(まつもと まこと)
広島大学大学院理学研究科・教授
1+1=0と書いたらバカにされそうですが、数学を使えば「1+1=0が成り立つ世界ではどのようなことが起きるか」緻密に正確にしらべられます。 数学では、実験できないことでも「証明」して確かめられます。そんな、見たこともない、想像したこともない世界を探求できる数学に、魅了されました。

「タイルで世界を埋め尽くす」

阿賀岡 芳夫 氏
歩道の敷石、お風呂場の壁、建物の外壁等私達の身の回りには調和のとれたデザインとしてタイル張りが数多く見受けられます。その中には正多角形を使ったよく見るタイル張りもあれば、一方でええっこんなタイルで本当にタイル張りができるの?といった奇妙なものまで、実に様々な例が知られています。ここではタイル張りを数学的にとらえて、この世界では何が分かって何が分かっていないのか、また平面だけに限らず球面や空間でタイル張りを考えたら一体何が起こるのか、奇妙で面白そうなタイルを紹介しながら図形の不思議さを楽しんでもらえたらと思っています。

♦ 講師自己紹介
阿賀岡 芳夫(あがおか よしお)
広島大学大学院理学研究科・教授
専門は微分幾何学です。次元が高くて目では見ることのできない図形を普段研究していますが、専門外のテーマとして、タイル張り・初等幾何学(三角形の心)・多面体などの目で見える幾何にも興味をもって取り組んでいます。最近は学生と協力しながら、双曲平面におけるタイル張りの研究をすすめています。

7. 企画

お昼休みに、教員の方を対象として、 高校教育と大学教育の情報交換のための
 特別懇談昼食会「高校教育と大学教育の接点」
を開催いたします(1,000円程度の昼食代は自己負担になります)。
参加ご希望の方は 広島大学公開講座特別懇談昼食会参加申込書 にてお申し込みください。

8. 募集人員 

180名
(一般の方と高等学校からの一括でのお申し込みとの合計です) 

9. 申込方法

この公開講座の受講申し込みは、 広島大学エクステンションセンターで受け付けています。詳しくは下記の募集要項をご確認ください。お申し込みいただいた方には、受講票と本講座のテキストを送付いたします。テキストの発送は7 月中旬の予定です。平成 27 年 7 月 9 日(木)(当日消印有効)までにお申し込みください。締め切り以降でも可能な限り受け付け致しますが、テキストの発送が遅れることがあります。また、募集人員を超えた場合にはご希望に添えないことがございます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

LinkIcon募集要項(一般の方向けご案内) LinkIcon公開講座申込書
LinkIcon募集要項(高等学校からの一括申し込みのご案内) LinkIcon高等学校からの一括申込書
LinkIcon広島大学公開講座特別懇談昼食会参加申込書(参加を希望される教員の方用)

10. 問い合わせ先

〒739-8526 東広島市鏡山 1-3-1
広島大学理学部 数学教室 公開講座係
電話: 082-424-7350 (数学教室事務室)
FAX: 082-424-0710 (数学教室事務室)

11. リンク

広島大学理学部 数学教室 交通と宿泊の案内
広島大学エクステンションセンター
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